信長は、美濃の斉藤道三の愛娘・濃姫と結婚。マムシの道三の娘は利発だ。
信長の“うつけ”の仮面を見破ることに、時間はかからない。
尾張は、今でこそ父・信秀が治めているが、混沌としている。
信秀は、家臣から“大うつけ”信長を廃嫡するよう迫られる。
父の目からは、ひいき目を引いても、信長がただのうつけ者とは思えない。
迷う信秀。そんななかで急死してしまう。
そんな父へ、怒りの焼香をする信長。
さらに目付家老の平手政秀が、信長の“うつけ”を戒めるため、切腹してしまう。
弟・信行との確執はさらに深くなり、孤立していく信長。
そんなおり、舅・斉藤道三と会見することに。
道三は、信長をあわよくば、毒牙にかけようと待ち構えていた。
しかし、その見事な拝謁ぶりに、すっかり心酔してしまった。
美濃を後ろ盾にし、国内平定を進める信長。
しかし、親族・家中たちの思惑は、まさに戦国乱世。
そこに女たちの思惑もからむ。
信長は、それらをうまく利用してゆく。
言葉通り、血で血を洗う骨肉の争い。
斉藤道三は年老い、嫡男・義龍との亀裂はいよいよ深い。
家臣の寝返りで、稲葉山城を追い出されてしまう。
決戦は秒読み状態だ。
信長は、将軍家嫡流の斯波氏を再興。
今川方を牽制し、時を待って、舅を助けるため出兵。
電光石火の出兵で、敵を翻弄する信長。
しかし道三は娘婿に望みを託し、この世に見切りをつける。
喜んだのは、弟・信行だ。
これを機に、一気に信長を追い落とそうとする。
だが信長は、小さいころから走り回った領地の利を熟知していた。
そう。ただ遊び回っていたわけではなかったのだ。
敵の裏をかき、渡れるはずのない河をわたり、信行の目付家老・柴田権六(勝家)の背後をつくのだった。
* * *
とかく信長というと、独善的というか、あまりいいイメージがないのだけれど、この章での信長にはそれを感じない。大望を胸に、自分自身にも鬼になって突き進むウラには、優しさが見え隠れしている。というかその逆だろうか?幼少のころから、骨肉の争いに身をさらしながら、それを一つずつ乗り越えるたびに、荘重に成長していく。