2010年3月24日水曜日

織田信長(一)

 信長は、美濃の斉藤道三の愛娘・濃姫と結婚。
 マムシの道三の娘は利発だ。
 信長の“うつけ”の仮面を見破ることに、時間はかからない。

 尾張は、今でこそ父・信秀が治めているが、混沌としている。
 信秀は、家臣から“大うつけ”信長を廃嫡するよう迫られる。
 父の目からは、ひいき目を引いても、信長がただのうつけ者とは思えない。
 迷う信秀。そんななかで急死してしまう。
 そんな父へ、怒りの焼香をする信長。
 さらに目付家老の平手政秀が、信長の“うつけ”を戒めるため、切腹してしまう。
 弟・信行との確執はさらに深くなり、孤立していく信長。
 
 そんなおり、舅・斉藤道三と会見することに。
 道三は、信長をあわよくば、毒牙にかけようと待ち構えていた。
 しかし、その見事な拝謁ぶりに、すっかり心酔してしまった。

 美濃を後ろ盾にし、国内平定を進める信長。
 しかし、親族・家中たちの思惑は、まさに戦国乱世。
 そこに女たちの思惑もからむ。
 信長は、それらをうまく利用してゆく。
 言葉通り、血で血を洗う骨肉の争い。

 斉藤道三は年老い、嫡男・義龍との亀裂はいよいよ深い。
 家臣の寝返りで、稲葉山城を追い出されてしまう。
 決戦は秒読み状態だ。
 信長は、将軍家嫡流の斯波氏を再興。
 今川方を牽制し、時を待って、舅を助けるため出兵。
 電光石火の出兵で、敵を翻弄する信長。
 しかし道三は娘婿に望みを託し、この世に見切りをつける。

 喜んだのは、弟・信行だ。
 これを機に、一気に信長を追い落とそうとする。
 だが信長は、小さいころから走り回った領地の利を熟知していた。
 そう。ただ遊び回っていたわけではなかったのだ。
 敵の裏をかき、渡れるはずのない河をわたり、信行の目付家老・柴田権六(勝家)の背後をつくのだった。
*   *   *
 とかく信長というと、独善的というか、あまりいいイメージがないのだけれど、この章での信長にはそれを感じない。大望を胸に、自分自身にも鬼になって突き進むウラには、優しさが見え隠れしている。というかその逆だろうか?
 幼少のころから、骨肉の争いに身をさらしながら、それを一つずつ乗り越えるたびに、荘重に成長していく。