いったんは江戸に入った武蔵だったが、石母田外記にもらった金塊が気になり、それを返すべく後を追う形で少し北、法典が原というところで、伊織との運命的な出会い。父を亡くしたばかりの伊織は気丈だった。何を感じたものか、武蔵は伊織を弟子にする。
その場を修行の場とし、利根の大水が出るというまわりの百姓たちに小バカにされながら、荒地を開墾しはじめるふたり。剣を鍬に持ち替えての修行だ。なかなかうまくいかないがここで得た教訓は「自然に逆らわない」こと。晴耕雨読の毎日。
そんなある日、土匪(山賊)によって近くの村が荒らされ、“七人の侍”よろしく、武蔵が先頭に立って村人たちを導き、兵法によって山賊たちを追い払う。それを細川家の老臣・長岡佐渡が偶然見ていた。
それからはまわりの村人たちも、武蔵たちの開墾を手伝いうようになり、敬うようになった。
一年近くが過ぎ、法典が原は見違えるばかりの青田になっていた。
長岡佐渡は、細川家の若殿・忠利に推挙すべく法典が原へ。しかし入れ替わるように、武蔵たちは江戸に起っていた。
江戸は大坂の暗雲から、往来を厳しく戒めはじめていた。そんななか武蔵たちは、偶然にも柳生家の高弟・木村助九郎と出会う。
宿をとった武蔵。隣りの部屋とイザコザになり、ひとりが乗り込んで凄むのだが、武蔵はソバを食べながら、何か黒いものを箸でつまんでは外に抛り出している。よく見るとそれは、ソバにたかるたくさんのハエだった…、というあの有名な逸話がここで紹介されている。
そのあとさっそく、柳生家に手紙を書き、伊織に届けるように言う。
宿の向かいに「本阿弥流御たましい研所」の看板。光悦の弟子の店だと、ピンときた武蔵は、さっそく刀を研ぎに訪れる。
かたな談義に華が咲き、主人が研ぎ上がるまでの代刀を見ると、その一本に魅せられてしまう。主人は、武蔵が手すさびに作る観音像と交換なら譲ってもいいと申し出る。
伊織は迷っていた。教えられて辿りついた屋敷は、今で言う勤務先のようなもので、住居は遠く離れた村だと教えられ、伊織は意地でもそこへ行くことに。
近くまできた伊織だが、なかなかたどりつかない。キツネにばかされたと思い込んだ矢先、きれいな女性を発見。キツネだと思い込む。なんとそれはお通。何の因果か、お通は柳生家に助けられ、又八の手を脱し、石舟斎との縁で江戸柳生家の厄介になっていた。
そんなお通を追いかけてくる若者がいる。柳生兵庫。頭首・柳生宗矩の甥で、剣の腕は宗矩以上かもしれない。
石舟斎が危篤と聞き、ふたりして大和へ向かう途上、伊織と出会うが、まさかその手に持つ手紙に、武蔵の消息が書いてあるとは露とも思わないお通であった。
宿をひきはらって、向かいの刀研師の二階に住み込んだ武蔵。それをどこから嗅ぎ付けたか、半瓦の舎弟たちが佐々木小次郎とお杉婆に居場所を告げ、お婆はいきり立ち、小次郎も助太刀に立つ。
あと一歩のところで横槍が入る。小次郎を仇と狙った小幡の高弟・北条新蔵だ。
小次郎と切り合い、何とか一命を取り留めた新蔵。刀研師の家で長く養生していたが、快方に向かい武蔵が家まで送る。途中、またしても六方者たちが立ちはだかる。
舎弟たちは仲間を斬られて憤慨していたが、武蔵は無視して逃げてしまい、その行動を卑怯者と、江戸中に高札が掲げられてしまう。
小次郎も細川家の一家臣の食客として養われていた。大望を内に秘め、立身を夢見ながらも、安く自分を売り込まずにいたが、名君・細川忠利に仕える気になりつつあった。やっとのことで拝謁を賜るも、腕見の立ち会いで残忍な一面を見せてしまう。
それを取り繕うために、相手の見舞いに出向く小次郎だった。
そんなある日、又八は西瓜売りに身をやつし、いつの間にか朱実と暮らしていた。
女郎屋から朱実につきまとっていた男に、つきまとわれていた又八を助けたのは、なんと小次郎だった。
さて武蔵たち。高札の噂を嫌って武蔵野まで。そこで一庵を結ぶとはいかないまでも、伊織と暮らしはじめる。
そこへどうつきとめたのか、北条新蔵がやってきて「ぜひ会わせたいひとがいる」と自宅へ招く。
* * *
城太郎をほっぽって、伊織を弟子にするんかいっ!と、武蔵に突っ込みたくなった。はぐれた城太郎はどうなったの? どう思っているのか。なんか武蔵が薄情に感じるのだけとれど、どこかに生きている確信みたいなものがあるのだろうか。武蔵と小次郎。江戸でも細川家でも切っても切れないくされ縁だ。忠利は武蔵のほうが気になるみたい。小次郎はその傍若無人ぶりがあらわになってきた。
柳生兵庫はお通が気になってるみたいだ。お通は相変わらず。武蔵は言わずもがな。どうなんの!?


