2012年6月11日月曜日

親鸞(下)

百日参籠、九十五日目。
「女犯の夢告」を受ける。
紫野は重い病。
越後へと帰っていく。
そんな彼女から意味深な忠告。
それによって、範宴は吉水へ。

若いころには響かなかった法然の説法。
今は沁み入るるようだ。
吉水に百日通う。
そんなおり、紫野に似た女性が。
妹の鹿野。
姉の変わりに京へ出てきたのだった。
鹿野は範宴に憧れていた。
しかし、範宴には紫野への思いが。
遵西は、そんな鹿野をたぶらかし手込めにしてしまった。
そうとは知らない範宴。
犬麻呂(犬丸)の妻・サヨにどえらい怒られる。

法然門下に入り、名を綽空に改める。
頭角をあらわしていく。

紫野が奇蹟の復活。
綽空のもとへ。
法然の教え、底辺の人びとと共に生きる。
それを踏まえ、紫野と夫婦に。

遵西の所に鹿野がいることが分かる。
紫野は、遵西に直談判。
自分の変わりに鹿野を返すようせまる。
じつはバックに黒面法師の姿。
あの六波羅王子の成れの果て。
綽空とともに絶体絶命。
そこに、また弥七率いる白河印字の党、推参。
ピンチを切り抜ける。

綽空は法然から「選択本願念仏集」を書写することを許される。
感激に震える綽空。
さらに新しく生まれ変わる。
名を“善信”に改める。
そして、自分なりの布教を開始する。
それは説教するというわけではない。
“話す”だけ。
大好評。
善信は法然を越えてゆこうとしていた。

遵西たちは法然の教えの過激派。
良くも悪くも“念仏”を広めるため、手段を選ばない。
その生け贄として、鹿野と善信。
法勝寺九重塔で、二人もろとも焼こうとする。
しかし、鹿野のお腹には遵西の子が。
強行する黒面法師。
行空が彼をおさえる。
善信、遵西、鹿野は脱出。
遵西と鹿野はともに去る。

ある事件で遵西は死罪。
その責任から法然も遠流。
四国へ。
善信はいろいろな人たちの助けで死罪はまぬがれる。
流罪。
越後へ。
*   *   *
孤高のお坊さんというわけではなかったんだねぇ、親鸞さんは。
比叡山にいたころは、孤高を目指した。
しかし、六角堂で底辺の人たちとともに歩む決意をした。
公然と奥さんをもらったというのも、正直驚いた。
でも読んで納得。お坊さんだって人間。肉だって食べる。
それを悪として、それでも“念仏”すれば救われるという教えは、広く底辺の人びとに浸透していく。

なんと激動編に続くのか!
文庫になるまで、しばし待つことにしようっと。

2012年6月10日日曜日

親鸞(上)


世は平家全盛。
忠範は兄弟と叔父の家に暮らしていた。

馬糞の辻へ闘牛を見にゆく。
危ないところを河原坊浄寛という修行僧に助けられる。
ツブテの弥七、法螺房弁才。
河原の者たちと知り合う。
自分には“放埒の血”が。
そして“お山”への憧れを抱くのだった。

付き人の犬丸には裏の顔が。
それが災いして、六波羅童たちに連れ去られる。
六波羅王子の屋敷へ浄寛たちと乗り込む。
「十悪五逆」。
忠範は不思議な歌の力を示す。

忠範は口減らしのために出家させられる。
だったら、いっそ比叡山に。
従者・犬丸の助け。
慈円阿闍梨の紹介で入山。
名も範宴と改める。

十九になった範宴。
堂僧という低位ながら優秀。
慈円に相談され、法然を探る。

気が向かない範念。
大和を旅する。
聖徳太子の声を聞く。

玉虫という傀儡女と出会う。
煩悩に落ちそうになる。
仲間の傀儡師に襲われる。
助かったのは、弥七のくれたツブテのおかげだった。

二十九になった範宴。
自らに苦行を課していた。
「仏とは何か」にぶちあたる。
しかし、その考え自体がタブー。
答えを求め、六角堂百日参籠。
法螺房弁才との再会。
そして、そこで見たもの。
それは、賤民たちの苦しくも活気ある息づかいだった。
ある少年を救ったことから法螺房の助手に。
そして、紫野との出会い。

そんなある日。
あの少年の母が、お礼にと宴席を設ける。
法螺房と出向く。
そこには懐かしのツブテの弥七が。
そして、當麻御前という歌の名手が。
この女、玉虫。
びっくりの範宴。
またも煩悩に落ちそうになる。
しかし、六波羅王子の攻撃。
當麻御前は身を呈して範宴を助ける。
慟哭する範宴。
悩んだ末、導き出した答え。
それは、“お山”を降りることだった。
“放埒の血”、“十悪五逆”、“仏とは”…。
若かりし範宴(親鸞)は悩む。
そして、法然のもとへ。
*   *   *
親鸞さんは、言わずと知れた浄土真宗の開祖。
多分、自分の家系はもちろん、ほとんどのウチが浄土真宗だと思う。その開祖がどんな生き様の末、何を悟ったのか…。五木さんの物語によって少しでも理解できたらと思いながら読み進めている。

2012年6月9日土曜日

水滸伝(十二)炳乎の章


策超は旅先。
晁蓋の死を知り梁山泊入り。

宋江。
晁蓋の意志も汲み、戦いつづけることを宣言。

裴宣。
平原の戦後処理。
第二の鶤城にするべく活動。

燕青。
梁山泊へ。
留守中、魯俊義が捕われる。
決死の救出。
奇跡的に奪還。

魯俊義を助ける形で北京大名府を落とす。
これには、中央は少し焦った。
代州の大刀関勝が出動。
宣賛の献策で、留守中の梁山泊を指す。
しかし、関勝はそれ以上攻めない。
朱富の店の饅頭1コ貸しにする。

急きょ帰還した梁山泊軍。
関勝の舞台はとっくに代州に帰っていた。
朱富と燕青の話から、関勝は梁山泊に来たがっていることを知る。
果たして、関勝たちは梁山泊へ。
*   *   *
とうとう関勝も入塞し、メンツは揃った感がある。
数えてないけど、これで百八星が揃ったのかな?
宋江は晁蓋の意志を汲み、攻めの姿勢。
ひたひたと全面対決への予感。

2012年6月8日金曜日

水滸伝(十一)天地の章


青蓮寺は闇塩を追う。
それとぶつかる梁山泊。

晁蓋と宋江の意見が割れていた。
晁蓋は三万、宋江は十万。
いずれにしろこれから水軍が重要になりそうだ。
呉用は第三の考えを秘めていた。

杜興は李応と離ればなれに。
九竜塞で史進の副官となる。
人事が解せない。
ヤケになり兵をいじめる。
しかし、その兵たちは精兵となっていく。
苛立つ。

李富は暗殺者・史文恭を送り込む。
平原に潜り込んでいた史文恭。
その平原を晁蓋率いる梁山泊軍が解放。
梁山泊軍にもぐりこむ。

晁蓋は城塞を解放し、鶤城のような城塞を増やそうと考えていた。
手応えを感じていた。
しかし、自ら陣頭に立つ意味があるのか。
そんなとき、二千の賊徒、
平原への糧道を断っているという。
もみつぶす。
解放は成功した。
そして、史文恭の暗殺も…。
*   *   *
なんということだ。確かに吉川水滸伝でうろおぼえではあったけれど、まさに天地を分ける、怒濤の展開。
このままだと何とも頼りない宋江。ここから宋江の真価が問われる。

2012年6月7日木曜日

水滸伝(十)濁流の章


武松と李逵。
代州で韓滔と彭玘。
それぞれの厄介になる。
仲良くなる。

呼延灼。
代州から梁山泊へ派兵。
軍師として韓滔と彭玘を伴う。

凌振。
大砲の部隊長。
呼延灼の軍に編入される。

徐寧。
王進、林冲に次ぐ腕前。
しかし禁軍で浮いていた。
家宝の具足を盗まれる事件が発生。
手違いで殺しをしてしまう。
孫新・張青の手はずで、梁山泊へ。

呼延灼軍と梁山泊軍は長く対峙。
麦秋が過ぎるのを待つ。

梁山泊初の敗北。
呼延灼は連環馬を使った。
そして一度だけ勝つ。

呼延灼は戦勝を告げに北京大名府へ。
高俅がその留守にもう一度軍を動かし大敗。
韓滔と彭玘は梁山泊へ。
呼延灼も梁山泊の仲間に。
*   *   *
高俅があんなマネをしなければ、呼延灼は仲間にならなかった。結局、宋という国は、自分で自分の首をしてめいるようなもの。
しかし、この戦いで梁山泊もかなりダメージを受けた。個人的には李袞が戦死してしまったのが残念。どう成長してくかが楽しみだったのに…。

2012年6月6日水曜日

水滸伝(九)嵐翠の章


林冲は単身、開封府へ。
索超と呂方に出会う。
妻が生きているというのは罠だった。
索超に助けられ辛くも脱出。
深手を負う。
一命を取り留めた林冲。
厳罰として馬糞の掃除。
策張は旅へ、
呂方は流花塞へ。

楊令が子午山・王進の元へ。
変わりに馬燐・鮑旭が梁山泊へ。

流花塞に禁軍が!
禁軍と聞いて晁蓋は勢い込む。
対峙。
しかし、おかしい。
解宝などが罠だと気づく。
青蓮寺の狙いは、北の闇塩の道。
魯俊儀・柴進があぶない。
とっさの決断でとって返す。
そこに扈三娘が加わる。

魯俊儀は李袞たちに匿われて助かる。

柴進は高唐で囚われた。
飛竜軍である鄧飛と陽林がそれを救った 。
しかし、鄧飛は脱出途中で死す。
陽林は鄧飛の意志を受け継ぐのか…。
*   *   *
林冲はじめ、それを助けた索超。李袞とかも、程度は違うにしろ心に何か弱さを持っていた。あんなに強い林冲でさえ、心の闇を抱えている。自分も心の弱い人間だが、彼らにはそれを払拭する心意気がある。自分もなんとかポジティブになっていきたい。

水滸伝(八)青龍の章

解珍・解宝親子。
祝朝奉から虐げられている。
いろいろ考えぬいて、梁山泊と通じる。

李富。
馬桂は開封府に連れ戻されていた。
その馬桂がむごく殺される。
狂う。
なんとか立ち直る。
梁山泊への恨み倍増。
復讐の鬼と化す。
しかし仕組んだのは聞煥章。
李富とは友情が芽生えていた。

官軍とぶつかる秦明軍。
鄭天寿は楊令の重い病気を気にしていた。
見事な采配で勝利する鄭天寿。
ふと見ると、楊令を治せる薬草がガケに。
取ろうとして命を落とす。

独竜岡との戦い。
要塞化した祝家荘には入れない。
負けこむ。
…と見せかけなければならない。
ぎりぎりの戦いが続く。

海棠の花と言われる扈三娘。
男勝りで林冲とぶつかる。
死んだと思っていた妻。
生きているらしい。
行方が気になっていた。
林冲は扈三娘を岩にたたきつける。

扈家荘軍の勇み足が呼び水に。
祝家荘からも兵を引きづり出す。
中にいた解珍・解宝・孫立一家が呼応。
そして李家荘の李応が叛旗。
泥沼化した戦況は、一気に梁山泊へ。
しかし、そこに林冲の姿はない。
*   *   *
李富といい、林冲・武松といい、死んだ女を乗り越え強くなっている。
ただ李富の場合のそれは、操作されたもの。
ほとんど噂だけで、単身妻を救いに行く林冲。今まで孤高の男と化していたが、親近感が湧いてきた。
鄭天寿のエピソードも泣ける。いろいろなものを背負っていく楊令が、どう成長していくのかも楽しみだ。