2013年12月29日日曜日

黒田如水

官兵衛は小寺家の新参家老。
織田か毛利か。
官兵衛は俄然、織田派。
反対を説き伏せる。
恭順の意を伝えるため岐阜へ。
そこで秀吉と竹中半兵衛と出会う。
秀吉から信長に取りなしてもらう。
官兵衛は最初から秀吉に目を付けていた。

時間がかかった。
小寺領に戻ると毛利寄りに。
古参家老に領主・政職は言いなりだ。
なんとか思いとどまらせた。
織田へ自分の嫡男・松千代を人質に差し出す。
その子は半兵衛のもとに送られる。
自分は秀吉に従い中国を転戦。

荒木村重が謀反。
小寺政職も一緒に離反したという噂が。
どうやら本当らしい。
何食わぬ顔で小寺の城・御着へ。
官兵衛は政職を説き伏せるために帰る。

政職はあっさりと了承。
「荒木村重を自分の変わりに説き伏せてほしい」
官兵衛は政職の名代として摂津へ。
しかし、それは罠だった。
「官兵衛をそちらで処分してほしい」
村繁への親書には、そう書かれていたのだ。

幽閉される官兵衛。
信長は官兵衛の行動を怪しむ。
半兵衛に、松千代を斬首するよう命令する。
*   *   *
言わずと知れた、今年の大河ドラマの主役。
吉川英治版は、青空文庫で無料で読めるので、本当にうれしい限り。
吉川版では秀吉と出会い、播磨の領主となるまでが描かれている。
策士、策に溺れる。
ドラマでは“無敗”と謳われている。
確かにそのようだけれど、一年ぐらい幽閉されていたことは知らなんだ。
そこで脚も悪くしてしまったようだ。
この本を読む限りでは“軍師”とか“策士”という面影は薄い。

まあ、この小説を手引きに「軍師官兵衛」を楽しむことにしますか。

2013年12月9日月曜日

親鸞 激動編(上下)

越後に流された親鸞。
一年は謹慎したような生活。

その生活が明けた年のある日。
奇妙な行列に出会う。
“ゲドエンさん”と人々が群がる。
その頭は“外道院”という。
圧倒的な陰陽と法力。

外道院は親鸞を否定しながらも近く呼び寄せる。
親鸞も外道院のやり方を正しいとは思わない。
しかし、根底に通じるものを感じる。

守護代は卑劣だ。
チサという娘をさらう。
そして親鸞と外道院たちをおびき出す。
親鸞たちはチサを救い出す。
しかし、チサは物狂い。
不思議な力を宿す。

ある日、京の犬麻呂から手紙。
鹿野の娘が生きている。
恵信はいたたまれず、京へ迎えに。
この年は雨が降らない。
親鸞に雨乞いの依頼。
しかし念仏は奇跡を起こすものではない。
固辞する親鸞。
しかし、外道院がやれば、チサが生け贄。
親鸞はダメもとで引き受ける。
七日、飲まず食わずで念仏。
京から恵信も帰って来ている。
一心不乱。
奇跡の雨。
神懸かりのチサの仕業か?
一番当惑したのは親鸞だった。

雨は降り続き、守護代の戸倉が悪だくみ。
ため池の堰を切る。
外道院たちは助かった。
そのたくらみを知らせたのは戸倉の息子だった。
外道院たちは、それをシオにこの地を離れる。

瞬く間に親鸞の噂がひろまる。
たくさんの人が詰めかける。
しかし、念仏の考え方のギャップに苦しむ。

年月は流れ親鸞にも子ができる。
長男を京の犬麻呂夫婦に預ける。

そんなある日、河原坊こと河原崎浄寛から手紙が。
関東への誘い。
親鸞は行く決意をする。

途中、善光寺による。
善光寺の考え方に、親鸞は大きく共感したようだ。
しばらく滞在。

河原崎浄寛から催促。
旅を再会。
途中、病む村。
祈祷を試みるも途中でやめてしまう。

河原崎浄寛は宇都宮氏と昵懇。
その庇護のもと、親鸞は筑波山のふもとで、布教活動。
道場では、禅問答のようなやりとりが繰り広げられる。

宇都宮氏の受け入れが整う。
笠間へ。
この間に、“念仏”の仲間も増えた。

そんなある日、黒念仏が流行りだす。
その影には黒面法師なるものが。
それは、かつて京都で対決したあの男だった。
危ういところを、またも白河印地の党が推参。
ツブテの弥七たちに助けられる。

十悪五逆の悪人は救われるのか。
それは親鸞にとっても、大きな難問だった。
しかし、親鸞は“来世”で救われるのではないかと考える。

月日は流れる。
小野のことで、夫婦喧嘩。
恵信を叩いてしまう。
それを見た小野はしゃべれるようになる。
彼女は実の母親を捜しに京へ旅立つ。

飢饉が続き、恵信は実家に戻る決意をする。
親鸞は法然の教えが荒廃していることを知る。
そして、京へ起つ決意をするのだった。
*   *   *
親鸞は“念仏”というものを、どう解釈し広めようか苦心する。
これを読むまでの親鸞さんのイメージは、とても崇高で、生まれながらに徳の高いお坊さんだと思っていた。
しかし、このなかで描かれている親鸞さんは、とても人間くさく、恵信ともたまに夫婦喧嘩もする。
それと“念仏”とは何か。
自分も考えさせられたし、とても難しいなぁと思った。
法然さんから受け継いだ考えは、とてもシンプルだったような気がする。しかし矛盾も。親鸞さんは、さらに咀嚼して考えをまとめて行く。
念仏とは、願いを叶える“おまじない”ではない、ということ。それは自分にも分ったような気がする。

う~ん、考えさせられるなぁ。

2013年11月15日金曜日

国盗り物語(四)織田信長 後編

光秀は義昭を伴って越前・浅倉へ。
京に近い譜代大名として期待。
しかし、浅倉当主は凡庸。
がっかりの義昭。

室町幕府再興を目指し、最終に頼ったのは信長。
光秀は気が進まない。
しかし、三好・松永を抑えるためには仕方なし。
幕臣でありながら、信長に取り立てられる光秀。
胸中、立場ともに複雑。

天下布武。
信長の力で足利再興。
しかし、すぐに義昭は信長を疎んじはじめる。
かくして、義昭が暗躍し、信長包囲網。

信長は浅倉攻め。
疾風怒濤。
しかし浅井の裏切り。
信長遁走。
秀吉が殿。
家康はこのころは、まだ律義者だった。
光秀とともに秀吉を助ける。

そして姉川の戦い。
こちらでも家康の活躍。
形勢逆転。
しかし殲滅はせず。

その後も伊勢・本願寺などに対応。
またも浅倉浅井勢が出てくる。
にらみ合いで、いつしか冬。
信長は光秀を使って、義昭に仲裁人をさせる。

信長は叡山を焼く暴挙へ。
光秀は諌止を試みる。
「木とカネを焼くだけだ」
信長は超現実主義者。
霊魂など信じない。
このころの叡山は腐敗しきっていた。
しかし、根こそぎの虐殺。
光秀は目を背けるしかない。

光秀は坂本に築城。
おそろしい早さ。
ここでも光秀の才能は光る。

とうとう信玄が動く。
ゆるゆると。
家康にまかせるしかない。
信玄は、家康を無視。
目の前を通り過ぎようとした。
家康憤慨。
「武士の名折れ」と出陣。
三方ヶ原でコテンパン。
そのまま信玄は西上。
…と思いきや伊那で客死。
信長は奇跡的に助かった、としか言いようがない。

信長包囲網は崩れた。
外敵が去れば内。
佐久間親子や荒木村重。
譜代も新参の別なく粛清。
道具は使い道がなくなれば捨てられる。
光秀は危機感を募らせていく。

秀吉の中国攻めがピーク。
信長に助けを乞う。
要は信長にごますり。
光秀にも出陣命令。
出陣前夜、出雲・石見を拝領。
しかし、いままでの領地を没収。
要は、自分で山陰を切り取れということ。
寝耳に水の仕打ち。
とうとう光秀は叛旗を翻す。

本能寺のあと、光秀に勝算も賞賛もない。
哀しいほどの孤独。
最後は土民の槍に倒れる。
*   *   *
超現実主義の信長は、家臣さえも道具として考えた。
使えればひからびるほどに使い倒し、用途がなくなればポイ捨て。
非情だが、革新的に世の中を変えていった。
司馬さんは信長を“革命者”だと言っていた。

「是非に及ばず」
この信長の諦観を、司馬さんなりに分析している。
まぁ、誰でも疑問に思い、世の歴史家ならいろいろな形で研究し尽くされたセリフ。
でも、なお神秘的な響きを持つのは、信長が神秘的でもあったからだろう。

道三の弟子たちが、半ば力を合わせ国盗りを行った。
古きを重んじた光秀。
新しきを重んじた信長。
最後の最後でふたりは、相容れることができなかった。
時代は信長に追いついては来なかった。
ふと楊令伝を思い出す。
始皇帝も然り。

本能寺後の光秀の没落ぶりは、それ以前の光秀とは別人のようにみじめだ。
信長を討たなければどうなっていたか…と、考えずにはいられない。

時代の接ぎ穂は、光秀ではなく秀吉が選ばれた。

2013年10月25日金曜日

国盗り物語(三)織田信長 前編

庄九郎こと斎藤道三は、お万阿から離れた。

娘・濃姫を信長に嫁がせる。
これで尾張が手に入るかもしれない。
あるとき信長と対面。
突飛な行動の裏にある、抜け目のない性格。
いっぺんに道三は信長に惚れる。
何くれとなく、面倒を見るようになっていく。

時は過ぎ、道三の牙は落ちた。
嗣子・義竜の反乱を予期できなかったのだ。
代々の守護職が落ち延びたようには、道三はしない。
有終を飾るため戦うことを決意。
信長の援軍も阻まれ、道三は討たれる。
その際、婿・信長に“美濃”の譲り状をしたためた。
道三は、濃尾を平定し京へ上るのは信長だと感じていた。

有名な桶狭間の戦い。
じつは田楽狭間というところだったらしい。

さて、もう一人。
道三に見出された男・明智十兵衛光秀。
京へ脱出。
西国などを流浪。
足利幕府を中興し世に出たいと考える。
京で足利義輝の臣・細川藤孝と出会う。
唇歯な交わり。
のち一乗谷・浅倉家へ。
苦労して客分となる。

義輝が三好・松永党に討たれてしまう。
明智光秀と細川藤高。
松永党に対するため、弟・覚慶を一乗院門跡から脱出させる。
これが、のちの足利義昭。

一方、信長。
執拗に美濃を狙い続ける。
その間に、斎藤義竜が病死。
その子・竜興は荒淫で暗君。
ある日、稲葉山城が落城の報。
調べると、竹中半兵衛という男が諌言するために策略だった。
いったんは元さやに。
しかし木下藤吉郎が寝返らせ、この男を配下に加える。
稲葉山城は陥落。
岐阜城と改称。
信長は、とうとう美濃を手に入れる。
*   *   *
世間の評にもあるように、“織田信長編”と言うわりに、やたら明智光秀が出てくるのは、著者が光秀の去就に興味があったのか、肩入れする気持ちがあったのかは、自分は知らない。
まあ、信長の足跡は有名だし、個人的にも山岡荘八の織田信長を読んでいるので、逆に明智光秀の足跡が知れて興味深いところ。

道三が見出した二人の偉才。
ざっくりと言えば、天才と秀才。
どちらがどっちだというのは、言わずもがなだが、天才とバカは紙一重って言うし、秀才は常識とプライドが高い。

このふたりが、どう確執していくのか?

2013年10月15日火曜日

国盗り物語(二)斎藤道三 後編

庄九郎。
京の山崎屋の財力。
権謀術数。
美濃を切り従えていく。

守護職・土岐氏の弟・頼芸に取り入る。
鷹を描けば右に出るものがいない頼芸。
自然、庄九郎の風雅と馬が合う。
庄九郎は頼芸の妾・深芳野に横恋慕。
これを奪い取る。
変わりに、頼芸を守護職に据えてやる。

それから二十年。
とうとう頼芸自身を守護職から追う。
竜義の後見として、美濃を手中に。
そのころ台頭してきた尾張・織田信秀。
ことごとく勝つ。
が、しかし、しぶとい。
さすがの“蝮”も辟易している。

気が付けば二十年。
お万阿との“約束”も不可能に近い。
庄九郎に“夕暮れ”が迫っていた。
*   *   *
庄九郎は名前を変えるたびに、出世していく。
独特の“正義”感を持っている。
現代の常識では、到底理解されない“正義”。
それは今の世の“悪”だ。
女も子どもも、のし上がるための“道具”でしかない。
しかし、だからといって、薄情というわけではなかった。
お万阿を単身、賊から救出した。

落ちる途中の頼芸を、船で最後見送っている。

2013年9月26日木曜日

国盗り物語(一)斎藤道三 前編

「天下が欲しいものだ」
松波庄九郎は一介の牢人。
日蓮宗・法連坊だったが還俗。

まずは京の油商・奈良屋。
御料人・お万阿に近づく。
松波庄九郎→奈良屋庄九郎。

店は繁盛した。
それを快く思わない大山崎神人。
打ち壊し。
庄九郎、気転を効かす。
奈良屋→山崎屋(婿→主人)。

幕府が徳政。
油の代金を踏み倒す。
憤る庄九郎。
いよいよ武人へ。

まずは、国が盗りやすい美濃へ。
昔なじみを頼って、守護職・土岐氏に仕官。
庄九郎の国盗りがここから始まる。
*   *   *
斎藤道三。
牢人→商人→武士。
知恵度胸気転で登り詰めていいく。

まさに戦国時代のサクセスストーリー。

2013年9月11日水曜日

終わらざる夏(上中下)

 

太平洋戦争末期。
日本は敗戦。
玉音放送。
終戦を迎えた。
戦争は終わった。
占守島にいたのは精鋭だ。
戦わずして負ける無念。
ソビエトの思惑。
それでも、“国”という魔物が“国境”を越え、攻めてきた。
占守島は戦場となる。
*   *   *
片岡直哉は、自分とそう年齢は変わらない。
そんな彼らが、最果ての地に。

戦争は、当たり前のように命そのものを奪う。
それ以上に、その理不尽さは家族や、その人に関わった人たちを慟哭の底に追いやり、感情を壊していく。

玉音放送を聞いたあと、沈鬱ななかに、希望が見えたはずだ。
負けたけれど、これで戦わなくて済む。
そんな希望的観測さえも、あざ笑うかの様に“魔物”はやってきた。

最後の戦闘での心象は、ロシア側でしか語られない。

シベリアで菊池医師に託された書簡。
そのひとつには“名誉”が。
最後の一つには“自由”が、書かれていた。

ただただ、今の世の幸せを、痛感します。

2013年8月10日土曜日

楊令伝(十五)天穹の章

南宋との全面的にぶつかる梁山泊。

ひそかに密会する李富と撻懶。
先帝の遺勅が動き出す。

呉用は李富を討ち取る。
しかし公孫勝が…。

梁山泊と死闘を繰り広げる岳飛。

宣賛は金へ自由市場を説きに出る。
粘罕は宣賛に負けを感じる。
そして自由市場を否定する。
察知した武松もまた…。

挟み撃ちの梁山泊。
それも楊令は、ある程度察知していた。
だが、灯台もと暗し…。
欧元は欧鵬の甥ではない。

岳飛は風前の灯火。
楊令の夢。
それは目の前だった。
顔の赤い痣は紫に見える。
ふたりは呼応するかのように対峙する。
*   *   *
この文章を書いている今でも、涙が出てくるぞ。
歴史は繰り返す。
まるで、楊業が裏切られたように金が背を襲う。
まるで、晁蓋が倒れたときのように毒が襲う。
楊令は“替天行道”を自分の解釈で、現実のものとしようとした。
しかし時は、その思想に追いついてはこなかったのか。
かつて肩を並べた国は、敵となり、恩を仇で返すのか。
ただ“志”を追い求めた漢が消えた。
それを、目の当たりにした岳飛は、これからどう闘うのか?
それは岳飛伝で語られるのか。

この物語で、岳飛は実在の人物だ。
その結末がどうなるのか分っている。
だから、これから岳飛が、どう生きるのか。
そして、どう死ぬのか…。

岳飛伝へ。

2013年8月4日日曜日

神去なあなあ日常

ここにきて何でこの作品なのか?
魔が射した? いえいえ。
出版当初、宮崎駿監督が本帯にコメントがあった。
自分で映画にしようか…どうしようか…。
みたいなことが書いてあった。
で、来年、矢口史靖監督が映画化するらしい。
文庫で出ていたので読んでみた。

終盤の行事の盛り上がり。
諏訪地方の御柱を想起させる。
自分も生島足島神社の諏訪社の御柱に参加したことがある。
だから、少しは感情移入ができる。
だからこそ、物語に場面を、どう表現するのか。
興味をそそられるところ。

あと、主要キャストも決まっているみたい。
けれど、自分のなかでのイメージと合わない。
まあ、自分が監督するわけではない。
文句を言うのは筋違いだ。

矢口監督のお手並みを楽しみにしたい。

2013年7月18日木曜日

楊令伝(十四)星歳の章

李英の行方を探る侯真たち。
李英は斉の将軍になっていた。
岳家軍と対峙する斉禁軍。
李英は先鋒として出陣。
梁山泊の重圧から解き放たれていた。
用兵に鋭さが増していた。
岳飛は末恐ろしさを感じる。
しかし、張家軍は抗金を理由に、斉から離れる。

李英は異例の出世。
斉の総帥に推挙される。
帝に拝謁。
その刹那、李英は飛刀を放っていた。
扈成に重傷を負わせた。
しかし、帝である劉豫の命までは絶てず。
李英は志を失ってはいなかった。
刀が李英のノドに吸い込まれていった。

李媛は李英を追い青蓮寺の手にかかる。
助けようとした戴宗も命を落とす。

金軍総帥に阿骨打の息子・兀朮を抜擢。
帝・呉乞買は病が篤い。
密勅「楊令を討つべし」。
これが遺言ともなる。
同盟国である梁山泊を敵にする。
そこまで自由市場は各国に影響を与えていた。

金は南宋とにらみ合った。
岳飛と兀朮は、ほぼ互角に戦う。
張俊が圧されたようだ。
しかし、金帝が没す。
金軍は会寧府に戻る。

嚇元が口を割る。
南宋皇太子・趙は李富と李師師の子。
燕青の子ではない。
嚇元が破壊されたことで李富の野望が動き出す。

南宋水軍の動きが活発に。
張敬が阮小二を助けて死ぬ。
父・張横も童猛とともに青蓮寺の手にかかる。
助けられた阮小二は大型船を完成させる。
しかし、大量に血を吐く。
最後は白勝に看取られる。

洞庭山が狙われる。
梁山泊は辛くも勝つ。
物資は半月で運び出す。

南宋も、自由市場を無視できない状態に。
秦檜と劉光世が李富に呼び出される。

とうとう梁山泊と雌雄を決する時か。
郭盛と史進が申し合わせていた。
郭盛が真ん中で踏ん張る。
史進が劉光世に突っ込む。
死に突っ込んだ史進。
しかし、乱雲に助けられる。
郭盛は史進に支えられ、兵たちを叱咤激励。
そのまま絶命。
勝った。
しかし、なぜか淋しい。
*   *   *
李英!少しでも疑ったオイラをゆるしてくれぃ!…泣ける。
つぎつぎと名もなく同志が死んでいく。
そして、郭盛が…。さらに史進の愛馬・乱雲は史進の盾となる。

経済という武器を持った梁山泊。
楊令が解釈した“替天行道”が実を結びつつある。
それは、今までの国の形を覆す民のための国。
先進すぎる国。
それを良しとしない南宋、そして金。
出る杭は打たれるのか。

あぁ、とうとう最終巻へ。
早く読みたい。でもまだ読みたくない。

焦らすかのように、また違う小説を乱読するのか!?

2013年7月11日木曜日

楊令伝(十三)青冥の章

斉の宰相に扈成がなる。
つながっていた張俊。
斉の禁軍となり、開封府に入る。

岳飛を攻めた完顔成。
二度の敗北。
退役となる。
不思議と肩の荷がおりたようだった。

張俊が依っていた北京大名府。
今は梁山泊の呼延凌が駐屯。
自由市場を開く。

蕭珪材vs岳飛。
数的には岳飛有利。
公平を期すため一騎打ちを申込む岳飛。
蕭珪材が強い。
しかし、護国の剣は折れる。

蕭珪材に勝った岳。
しかし、民の大規模な反乱。
打ちのめされる。
南宋の傭兵となることを決意。
しばし梁山泊を視察。
楊令たちと語らうのだった。

楊令は、張俊を攻める決定をくだす。
先の戦で鮑旭が死んでいる。
攻められれば倍返し。
それが楊令の考えだ。

青蓮寺を追う猪律。
嚇元の捕獲に成功。
致死軍も合流。
しかし追い込まれる。
戴宗が走り、秦容と公孫勝が駆けつける。
嚇元は公孫勝や武松によって拷問へ。

青蓮寺の離間の計。
張俊と扈成。
そして、梁山泊から李英を。
策に嵌まる李英。
こうなる運命なのか。
潔く斉にくだるのだった。
*   *   *
梁山泊が自由市場で膨らみはじめた。
楊令が張俊を攻めると決めてから、にわかに物語は加速しはじめる。
李英は斉で敵対する強敵となるのか?
楊令の目指す国とは?
天下とは?

それにしても、蕭珪材と岳飛の一騎打ちは燃えた。
「血涙」を思い出す。
護国の剣が折れるとは…。
さすがに岳飛には受け継がれなかった。
個人的に期待していた吹毛剣vs吸葉剣の戦いは見れそうもない。残念。

2013年6月24日月曜日

新徴組

沖田林太郎は試衛館の面々と上洛。
義弟・沖田総司の保護者としてだ。
が、清河八郎の思惑に翻弄。
義弟と袂を分かち江戸へ帰府。

清河以下は攘夷。
横浜を焼き討ちにと気勢をあげる。
しかし、清河八郎は暗殺されてしまう。

京に残った試衛館の面々。
近藤勇を局長に新選組を立ち上げる。
総司は一番隊隊長。
猛威を振るっていた。
「総司は大丈夫なのか?」
林太郎は義弟を案じていた。

その林太郎たち、江戸の浪士隊。
庄内藩の預かりとなる。
こちらも新徴組と改名。
主に江戸市中の見廻り。
いわゆる“お巡りさん”となる。

その新徴組を預かるのは
庄内の若き俊英、酒井吉之丞(のちに玄蕃)。
面さしが総司に似ている。
その吉之丞。
新徴組に洋式兵法を叩き込んでいく。

ある事件から薩摩藩の屋敷を攻めることに。
林太郎は京に災厄が飛び火するのではと反対だ。
しかし、玄蕃も藩論を抑えきれず。
なんとか、海へ逃がさないよう奔走する新徴組。
立ちふさがる、示現流の鬼。
蹴散らされる。

鳥羽伏見で幕府軍惨敗。
新選組も江戸に戻っていた。
総司も江戸に戻ってきた。
しかし肺病を患っていた。
いっしょに暮らそうとする林太郎。
しかし総司は拒絶。
“義兄さんの前のめりの剣”
取り戻せと言うのだった。

庄内藩は江戸払いと決まる。
林太郎以下、新徴組も庄内へ。
奥羽越列藩同盟がなる。
薩長官軍を迎え撃つことに。

しかし次々と同盟は崩れていく。
酒井玄蕃は新庄藩を叩き潰す。
鬼玄蕃と呼ばれる。
その玄蕃は、林太郎親子に北の調査を依頼。
秋田藩は藩論まっぷたつ。
仙台藩士の暗殺を阻止しようとする林太郎親子。
しかし、またしても示現流の鬼。
林太郎たちは仙使を助けられず。

“秋田反逆”
知らせを聞いた玄蕃は会津から大返し。
その勢いよろしく、秋田・久保田に攻め入る。

土方歳三が訪ねてくる。
会津はそうとうにヤバい。
鬼玄蕃の力を借りたいという。
しかし、その玄蕃は秋田攻め。
まさかと驚愕する土方。
そして、告げられた総司の死。

新徴組は、鳥海山を越え矢島へ。
林太郎は総司に死なれ、約束の“剣”も取り戻せず。
秋田での振る舞いで、息子にも疎まれている。
そこに、またしても示現流の鬼。
林太郎は、なかば自暴自棄。
とうとう“前のめり剣”を取り戻す。

庄内藩は怒濤の攻略。
久保田まで、数里と迫っていた。
部下が敵から持ち帰った紙片。
そこには、驚愕の事実が書き付けられていた…。
*   *   *
新選組に隠れていて、その存在を初めて知ったのは、「勝海舟」を読んだ時で、そのときから気にはなっていた。で、あの佐藤賢一が書いたということで、文庫になるまで我慢して、今回、手に取った次第。
林太郎の三段突きはしびれた。
玄蕃は違う観点から日本を見ていた。
“時代”に翻弄されながらも、林太郎は“家族”のため、玄蕃は“藩”のため、信念を貫いた。
読後が清々しい。

2013年5月30日木曜日

楊令伝(十二)九天の章

梁山泊の荷が襲われた。
王定六は危急を梁山泊に知らせる。
そして楊令の腕のなかで力尽きる。
金の訛里朶が独断で襲った。
李媛が大将。
李英を解任。
秦容を抜擢。
荷を守る。

江南では宋が再興された形に。
杭州・臨安が首都に。
燕青は李富に誘い込まれる。
燕青にあるまじき失敗。
辛くも脱出するが失明してしまう。

李媛が李英の解任を再度要求。
その裏に深い意味がある。
そう見た杜興。
自らの死で李媛をだまらせる。

双頭山には、退役間近な鮑旭。
そこへ張俊が本気で攻めてくる。
鮑旭は死に花を咲かせ、部下を助ける。
しかし双頭山は風前の灯。
間に合わないと思っていた五百騎が駆けつける。
そこには秦容の姿が。
張俊は引き下がる。

耶律大石が“西遼”を建てる。
梁山泊と同じ税率一割の国だ。

西夏でも複雑な動き。
皇太子と宰相が毒を盛られ死亡。
荒れる韓成は郤灼を押し倒す。
のちに帝兄が暗殺される。
ウラに公孫勝と戴宗のカゲが。

金は燕雲十六州に傀儡国家・斉を建国していた。
帝は劉豫。
宰相に劉顔宗。
その劉顔宗が何者かに暗殺される。
*   *   *
日本・金・斉・西夏・西遼・梁山泊・張家・岳家・南宋。
まさに九天の世。
三国鼎立ではないが、このときの中華は微妙なバランスは一時でしかない。
秦檜、扈成、青蓮寺から派生した人間たちが不気味だ。

2013年5月22日水曜日

楊令伝(十一)傾暉の章

韓成。
西夏との交渉に尽力する。
それを守護する秦容と郤灼。

岳飛。
自領のゆるみに悩む。
崔如の助言。
引き締めるため、荘ひとつ殲滅。
のちに崔如を妻にすることに。

楊令。
自ら西域の隊商の護衛。
耶律大石と語らう。

秦容。
楊令と合流し、梁山泊へ。
身のこなしに目を見張る楊令。
葉敬が配下にするのを蹴った。
自分より上だと感じたのだ。
郤灼はひきつづき韓成に着いていくことに。
戴宗があれている。

金国。
南宋を倒すため南下。
膠着状態。
翰本帰還を蕭珪材が守る。
岳飛、散々に打ち破られる。

韓世忠。
梅展からは旧宋水軍を受け継ぐ。
李富と急接近。
巴蜀を目指す。

南宋はわざと流浪している。
李富は着々とことを進めていく。

梁山泊の牧が襲撃される。
三千の馬が盗まれる。
楊令は総動員で岳家軍と対峙。
完膚なきまでに叩く。
しかし、岳飛は討ち取れなかった。
*   *   *
秦容は、なみなみならぬ器と見た。
岳飛との戦いで、異常な強さを見せる。
南宋と金の間で、梁山泊は経済で成り立とうとしている。
…ん!? この規模で、軽い鎖国状態。経済で身を立てようとしていく…。
近代日本を連想するのは自分だけだろうか?

ただ、人びとはとても今の日本とは似ても似つかないが…。

2013年5月12日日曜日

くじらのまち

同郷の新鋭監督・鶴岡慧子さん。
PFFグランプリ作「くじらのまち」。
上田で上映されるということで行ってきた。

主人公のまちが魅力的に撮られていた。
ぶっちゃけエロい!と感じた。
女性が撮ったからか、変なエロさではない。

水のイメージが印象的だ。
陰湿なイメージではない。

ベタな設定。
だが、その設定が観客を引っぱりこむ力は持っていて、目が離せない。
それもあって、長回しもあまり気にならなかった。
その引っぱりこむ力があると感じた。

ロケ地は、菅平や別所線など、見たことがある風景が混じっていた。
とかく自主制作映画(自分のものも含めて)は、“見ていてツラく”なることが多い。しかし、この作品については、それがなかった。
監督は菅平出身ということで、それだけで贔屓目で見てしまったのかもしれないが、それでも上に挙げた印象は本物だと思うので、これからのご活躍を陰ながら応援したいと思う。

2013年5月9日木曜日

清須会議

今年の秋には映画が上映される。
キャストも決まっている。
想像しながら読んでみた。
*   *   *
本能寺の変で信長は憤死。
山崎の戦いで明智も滅びた。
さて、織田の跡目をどうするか。
柴田勝家は信孝。
羽柴秀吉は信雄。
壮絶な“会議”という名の“戦”がはじまった。
*   *   *
戦国時代の大河ドラマ。
必ずと言っていいほど、登場する場面。
清須会議!
そこにスポットを当てた三谷さんに拍手。
三谷さんらしい視点と切り口だ。
最後の秀吉と勝家のやり取りは真実だったと信じたい。

楊令伝(十)坡陀の章

宋は倒れた。
南に青蓮寺の息がかかる南宋が興る。

北京大名府。
張俊。
影に扈成。

大原府。
岳飛はまとまった賊徒を掃討。
途中、流浪する女性の一行を助ける。
しかし金軍に兵糧庫を焼かれる。
忸怩。
目には目を。
敵の兵糧庫を奪取。
倍の兵糧をゲット!

武松や上青、西夏からさらに西へ。
韓成は梁山泊の国使として西夏へ。

公孫勝は子午山へ。
秦容を迎えにきた。
秦容とともに郤灼という女もついてくる。
目指すは西夏。
*   *   *
混沌とする中華。
それぞれの思惑が交錯する。
梁山泊は小さくまとまり、交易で国を潤そうとしている。
韓成を軸に、西夏と交渉を持つ。

楊令伝(九)遥光の章

童貫死す!
敬礼!

残るは金軍と対峙する李明の軍。
李俊たち水軍の出番。
赤手隊の荻成が李明の首を狩る。

金軍が開封府を包囲。
和睦。
しかし、すぐにまた金軍はやってくるだろう。

青蓮寺はもぬけの殻になりつつあった。
李富が南へ移す計画。
傀儡に近い形で、秦檜を残す。

梁山泊は少し領土を増し、国となす。
楊令は帝に上らず、共和制を考える。
そして、新たな交易を考える。
東は日本から西は西夏の西域まで。
新しい塩の道。
*   *   *
最大の敵・童貫を倒し、梁山泊は国となった。
しかし、楊令が考える国は新しい。
梁山泊の人びとの捉え方は人それそれだ。
大国・宋が倒れ、それぞれの想いが点在する中。
梁山泊はどこへ向かうのか?

2013年4月4日木曜日

我ニ救国ノ策アリ 佐久間象山向天記

少年時代から象山は身体がガッチリ。
父について勉学を人一倍努力していた。
真田志摩と人気を二分するほどだった。
ある日、肝試しを持ちかけられる。
皆神山に昇る。
そこで翼のついた、白く光る大きな筒に遭遇する。

象山は父の遺志を継ぐ。
正学(儒学)を修め、洋学を学ぶ。
砲術も学びはじめる。

世は異国船が出没するようになっていた。
藩主である真田幸貫が老中に。
象山は次々と斬新な献策を上げる。
なかなか策は通らない。
しかし、海防を任されるようになっていく。
江戸へ出て「海舟書屋」を開塾。

勝驎太郎、吉田寅次郎、河井継之助、小林虎三郎…。
そのころの塾生は、幕末に活躍。
象山は驎太郎の妹・順と結婚。
しかし幸貫がたおれ、象山もお役御免へ。

寅次郎と象山は異国船乗船を画策。
寅次郎は長崎まで出向くが失敗。
そんななかアメリカの黒船が来航。
寅次郎は密航に失敗。
象山も扇動した罪で松代に蟄居させられる。

松代で象山は長い蟄居生活。
順を相手に空を飛ぶことに熱中しはじめる。
そんな象山を人びとは憐れむように。
継之助が象山のもとに。
象山は少年の頃に見た白い筒を、具現化しようとしていた。
その「びばな」は今で言う、気球に羽根が魯のようについていた。
実験は皆神山で。
成功。
しかしすぐに墜落。
藩から厳しく注意される。

勝驎太郎が海防に乗り出し、咸臨丸で出航。
象山は、その先の空防を考えていた。
*   *   *
その後、有力公家の招きで京へ上洛した象山。
ご存じのように、その後、暗殺されてしまう。
「空は誰のものでもない…」
今もまだ、空に境界線はない。

県歌「信濃の国」にも出てくる英傑だ。
これまで身近に感じながらも、どんなことをしてきた人なの?
まったく知らなかったので、本書を読ませていただいた。

著者の仁木英之さんは信州在住だそう。
また、信州ゆかりの人を取り上げていただければ、うれしいです。
ちなみにカミサンは「僕僕先生」のファンです。

楊令伝(八)箭激の章

花飛麟は扈三娘への想いを遂げる。
しかし、扈三娘は劉光世に肉迫。
あと一歩のところ討たれる。
花飛麟は憎悪から気が狂れる。
しかし、のち自分を取り戻し、さらに洗練された指揮官へ。

童貫は棗強に陣を敷く。
じわじわと梁山泊軍は包囲を狭めて行く。
激戦がつづく。
岳飛と対峙した張清は首が飛ばされる。
馬麟は片足で馬を操っていたが、それもできなくなる。
馬麟の鉄笛の音色。
しかし、曲は張平だった。
*   *   *
水滸伝の志士たちが消えてゆく。
とても悲しい。
新しい世代が文字通り、その「屍を越えてゆく」。
童貫と楊令の対峙は目前だ。

楊令伝(七)驍騰の章

宋禁軍が梁山泊に侵攻を開始。
先駆は岳飛。
楊令軍・郝瑾と馳せ違う。

張平は青騎兵を率いることに。

岳飛と花飛麟がぶつかる。
花飛麟は岳飛を侮った。
危ういところを鮑旭に救われる。

青蓮寺の動きを探る、燕青と侯真。
そんななか、侯真の父の仇・高俅のあわれな姿を見る。

扈三娘は聞煥章に囲われる。
徐々に肉欲に溺れていく。
そんなとき兄である扈僊(扈成)。
真実を告げられる。
聞煥章に従う理由はなくなった。
イチモツを喰いちぎり、首をぶら下げ脱出(ヒェ~)。
外では武松が待っていた。

楊令は、たった数百騎で、童貫軍を断ち割る。

童貫軍の一翼を担う趙安の軍。
呼延灼軍と対峙。
息子・穆凌が趙安の首をとる。
しかし、それを守るかのように、呼延灼討死。
「父が子より先に逝くは道理」
穆凌は、これより呼延凌と名のる。
*   *   *
楊令の黒騎兵が童貫をつらぬいた。
この行動に意味があるのか?
童貫は何を想うのか?

楊令伝(六)徂征の章

祭福の妻が首をつる。
もともと弟・祭慶の妻だった。
息子・蔡豹は武松が王進のもとへ。

公孫勝が致死軍を卒業。
侯真が跡を継ぐ。
公孫勝が息子のように思っている?羅辰。
侯真の副官に。

王清・王貴を救うため水軍が動く。
羅辰率いる致死軍も動く。
別動で侯真は森のなかにいた。
その森に単身、扈三娘が乗り込んでいた。
侯真は王清・王貴を救い出す。
…が扈三娘は聞煥章の術中に。

李富は秦檜を宮廷に送り込む。
李富と李師師の子が誕生。

金の帝になった呉乞買。
遼と通じようとして、公孫勝に脅される。

童貫は決戦を前に、王進を訪ねるのだった。
*   *   *
聞煥章の長年の念願が叶うときが…(爆!)
青蓮寺は宋を静観し、この国を見限りはじめたようだ。

2013年3月13日水曜日

楊令伝(五)猩紅の章


燕京の軍は結束。
趙安の軍と拮抗していた。
なかなかの戦ぶり。
しかし耶律淳が暗殺される。
儚い夢を分かち合った三人。
耶律披機は戦死。
耶律大石は西へ。
蕭珪材は金に帰順する。
聞煥章の夢も儚く消える。

南は戦いというより殺戮だ。
度人はゾンビを思わせる。
一年がたった。
石宝は武人として猛々しく戦う。
岳飛に討たれる。

燕青と武松。
呉用を救出に入る。
婁敏中が立ちはだかる。
武松勝つ。
方朧に殉じようとする呉用。
武松が触れ絶息。
「死ぬことは許されない」

阿骨打が死ぬ。
弟の呉乞買が跡を継ぐ。

聞煥章のところに呂英。
子どもを土産に連れてくる。
王清と王貴。
どちらかは扈三娘の子だ。
*   *   *
蕭珪材は言うまでもなく、「血涙」の石幻果(楊四郎)の子孫。
金に帰順したことで、楊令の対峙することは今はない。
“吸毛剣”と“吸葉剣”は、再び邂逅する日はあるのか!?
そういえば、楊令は幻王として、遼を倒すため“幻”の旗を立てた。
遼を建てるため立てた旗が、後に遼を倒す旗になろうとは…。

南北の乱れに乗じて、梁山泊は小さな国を作る。
前梁山泊は点在(山寨)だったのに対して、現梁山泊は面(州)。
楊令は宋を倒すため、はるか先を見据えている。

呉用が方朧に魅せられ、彼のために死のうとした。
しかし、それは許されない。

2013年2月10日日曜日

楊令伝(四)雷霆の章

宋禁軍・趙安が北伐の将。
梁山泊の前を通り過ぎる。
宣賛は猶予を。
呼延灼は侮辱と捉える。
しかし、葉超率いる禁軍と対峙する。

童貫が長江を渡る。
岳飛に二千をあずけ、度人のなかを泳がせる。

趙安は燕京と対峙。
蕭計材たちは予想より強い。

禁軍が出払いカラッポの宋。
賊徒が横行。
それを掃討する梁山泊軍。
敵をたたく戦いではなく。
味方をつくるための戦いだった。

史進が王母が亡くなったことを告げる。
楊令はじめ、子午山の仲間は涙する。

公孫勝は呉用奪還へ。
しかし、呉用は自らの遺志で拒否。
呉用は方臘に勝たせたい。
しかし、童貫の動きが読めずにいた。

それは、連環馬だった。
七十万もの信徒がなぎ倒される。
方臘方の大敗。
しかし、意に介さない。
方臘は生肉喰らい、酒を飲む。

阿骨打の病が篤い。
そこへつけ込む族長たち。
楊令は制裁をあたえる。
*   *   *
宋禁軍が南北へ出兵。
童貫は南へ。

王母が亡くなった。
鮑旭が砂に自分の名前を書いた。
思わずオイラ、もらい泣きっす!

2013年1月19日土曜日

楊令伝(三)盤紆の章


とうとう方臘が立つ。
“喫菜事魔”は燎原の火だ。
瞬く間に江南に広がる。

北では宋金同盟が成る。
幻王軍は、李媛の重装備部隊と連携。
燕京のまわりを崩す。
残りの遼禁軍を宋禁軍が叩くよう仕向ける。

聞煥章暗躍。
遼の北。
耶律大石と密談。
耶律淳を帝に立て、燕雲十六州を独立させる考えだ。
うすうす李富も感づいている。

王進のもと、張平・花飛麟。
楊令と邂逅。
その後、張平の父・張横が二人を迎えに行く。

とうとう、童貫に勅許がくだる。
しかし、南北に軍を分けなければならない。
童貫は江南の乱に充たる。

海天の西に新しい塞。
そこに入る楊令。
みなが集まる中、颯爽と頭領の座に昇る楊令。
“替天行道”の旗が掲げられ、塞は“梁山泊”となる。
*   *   *
息子・方天定をあっけなく殺す方臘。
颯爽と梁山泊に昇る楊令。
ここのクダリは、読んでいて身震いがするようだった。
漢の清々しい荒々しさが、強く感じられる。

それにしても、宋とその周辺が入り乱れはじめた。
オイラの頭がついて行くのに必死になってきた。
ここに書いてあることも、かなり断片的になってきた。
ご容赦を。
改めて北方謙三氏に、敬意を表したい。

2013年1月15日火曜日

楊令伝(二)辺烽の章

武松は楊令と立ち会う。
吸毛剣で右手を切られる。
楊令と焼いて喰う。

梁山泊軍は太湖の洞宮山・洞庭山に。
新たな拠点となりつつある。

童貫は禁軍をさらに強固に。
調練として地方を巡回。
そんなとき、岳飛という少年に出会う。
少年に何かを見出す童貫。
しかし禁軍に引き抜こうとはしない。
「型にはめない方がいい」
童貫は、とっさにそう思った。

杜興が李応の娘・李媛の副官となる。
李媛は亡き父の遺志を継ぎ、重装備部隊を

方臘が仮面を脱ぐ。
呉用と、青蓮寺により入れられた宋の元将軍・許定。
侮っていた方臘の力に震撼す。

呉用と楊令が会う。
南の乱と、北の争い。
これを利用して梁山泊再興の時を稼ぐことに。

岳飛は独自で、傭兵団を結成。
村々の用心棒をしながら流浪。
そんなある日、黒い騎馬隊と遭遇。
それは幻王(楊令)の黒騎兵だった。
不意打ちをする。
しかし負ける。
弱さを痛感した岳飛は禁軍へ。
*   *   *
楊令は、自らに“生ききる”ことを課していた。
宋を倒す。
その先の新しい国の有り様は、少しは良くなっても、また同じなのか…。
それに関わる気持ちは、楊令にない。

武松は、拳を落とされ、憑き物が落ちたように明るくなった。
宋江の命を絶った吸毛剣で、拳を絶たれた。
武松にとって、そこに大きな意味があったようだ。

方臘に魅力を感じる呉用。
梁山泊の思想と、喫祭時魔の宗教は相容れない。
しかし、それ包括してしまうような魅力を感じるのだった。

楊令と方臘に共通するのは、国と戦う男の生き様だ。
その跡にはあまり興味を示していないことだ。

2013年1月1日火曜日

楊令伝(一)玄旗の章


あれから3年が経っていた。
燕青たちは、梁山湖から銀を引き上げた。
呉用が生きていた。
宣賛と同じように顔が崩れている。

顧大嫂や孫二娘たちは、新しい荘に。
そこに、花栄の息子・花飛麟が。
暗い強さを秘めていた。
扈三娘に負ける。
秦明の妻子・公淑と秦容を子午山へ。
王進たちと出会い、自分の弱さを思い知らされる。

李俊は水軍をまとめて沙門島に。
張清の妻・瓊英が日本と交易を開く。

呉用は南。
蠍村の保正になりすます。
江南で“喫菜事魔”という宗教が広がりつつある。
その中心の方臘に近づく。

遼の東。
女真の国・金が建てられていた。
阿骨打は皇帝となっていた。
しかし、部族間の足並は揃わず。
平定に腐心していた。
そこに大きく関与する“幻王”。
阿骨打の弟という噂。
すさまじい戦をしていた。
燕青と武松は“幻王”に会いに行く。
果たして、“幻王”はあの楊令だった。
*   *   *
楊令は別格として、侯真、花飛麟、張平、郝瑾、秦容。
息子たちを中心に登場する。
志を継ぐものたちの成長が、今から楽しみ。
そして、岳飛。
北は金と遼。
南は方臘の“喫菜事魔”。
乱世の予感。