2008年5月30日金曜日

風神の門

 とうとう司馬遼太郎に取り掛かる。
 とりあえず入門書として、敷居の低い初期の作品をと考え、真田ものでもある「風神の門」を手に取った。
  正直、「真田太平記」と多分にかぶる所があって、読み比べることもできた。史実は大筋であっているのだけれど、ところどころ解釈が違ったりして、それはそれでおもしろい。まあ、こちらは主人公が霧隠才蔵ということもあって、あの立川文庫に寄した冒険活劇ものとしてとても楽しめた。
 とにかく才蔵は 女にモテる。モテる男というのはルックスはともかくとして、中身が大事だなということが、今さらながら読んでいてよく分かる。…というように、司馬さんの 作風は基本、明るいようだ。池波氏、藤沢氏の作品が暗いというわけではない。今回読んだものが活劇ものだったからか…。もう少し別の作品を読んでみようか。

2008年5月18日日曜日

蝉しぐれ

 続いて読んだのが、藤沢周平の「蝉しぐれ」。
 近年、藤沢作品は、山田洋次さんが映像化してから、映画やドラマ化ラッシュとなっている。
「たそがれ清兵衛」などはとても感動した。
 さて、この小説は藤沢氏の代表作として、著者の紹介に必ず出てくる。
 詩情豊かな描写と、主人公・文四郎が友と一緒に成長していく課程が清々しい青春小説だと言っても過言ではなかろうし、山田洋次監督の藤沢周平三部作の根底には、この作品が流れていると言っていいだろう。
“ 秘剣村雨”を伝授されるクダリなどワクワクしたが、なんといっても、おふくとの“ すれ違いの悲恋”が嫌味なく、哀愁を漂わせながら、クライマックスへと誘う。
 一章、一章が一遍の詩のようにまとまっていて、とても読みやすく感動した。
 池波正太郎、藤沢周平と読んで、“ 一平二太郎”残るはひとり。司馬遼太郎に挑戦だ!

2008年5月1日木曜日

天地人

 次に読んだのが、来年のNHK 大河ドラマの原作。
 上杉謙信の弟子であり、謙信の跡を継ぐ上杉景勝の執政となった直江兼続の物語だ。
  この作品、真田贔屓のオイラにとって、真田があまりいい形で登場していないのが引っかかる。そのなかで、幸村だけは兼続の“ 義”の教えを胸に戦っていく。ということになっている。まぁ客観的に見れば、上杉贔屓の人からすれば“ 表裏比況の者”ということになってしまうのかも知れないが…。何となく真田太平記に対するアンチテーゼ的な作品にも感じる。
 内容は思った以上 に、あったことを簡潔に記されている部分が多くて、兼続たちがその時どう思っていたのかという、感情面の描写に乏しい感じがした。なのでドラマ化するにあ たっては、創りこみやすいように感じる。いくらでも肉付けができると感じた。家康東下から関ヶ原終戦までの兼続の機微を、もっとドラマチックに描いてもよ かったんじゃないかなぁと思う。
 とにかくだ。日本人が忘れかけている“ 義”の精神が何なのか、考えさせられる作品であった。