2014年1月23日木曜日

決闘の辻―藤沢版新剣客伝

電書で、ポツポツと読み進め、このほどやっと読めた。
それぞれの感想をひと言で。
・二天の窟(宮本武蔵)
「なんか卑怯じゃないの武蔵」「…それも兵法なり…」

・死闘(神子上典膳)
あれは、善鬼のじゃなくて典膳の方だったのね。

・夜明けの月影(柳生但馬守宗矩)
自分の不始末は、自分で雪ぐ。

・師弟剣(諸岡一羽斎と弟子たち)
小熊が泣ける。女ってこわいな…。

・飛ぶ猿(愛洲移香斎)
荒涼とした兵法者の世界より、故郷の温かさ。
*   *   *
女性の描き方が微妙と感じたのは勘繰り過ぎ?
すべてにおいて、立ち会いは荒涼とした空気、生と死、とにかく残酷までな現実が描かれている。

剣客と聞けば「かっこいい」なんて思って、飛びついて読んだけれど、そんな甘い気持ちを木っ端微塵にされてしまった。

2014年1月22日水曜日

下町ロケット

ここずーっと「宇宙兄弟」をマンガで読んでいる。
やっぱ基本“宇宙もの”は大好物だ。
「じゃあ、SF読めよ!」と突っ込まれそうだが…。

ずっと気になっていた表題作。
池井戸潤といえば“半沢直樹”。
このほど、その勢いに乗って文庫化された。
あれほど話題になったドラマを、自分は見なかった。
その原作にも目をくれず、早速、本作を手に取った次第。
佃は元・ロケットエンジンの研究者。
挫折し、父の会社である佃製作所を継ぐ。
社業は佃が注力する技術力で保っていた。

そんなある日。
京浜マシナリーから受注をカットされる。
さらに、突然の特許訴訟。
ナカシマ工業から訴えられてしまう。
しかし、そんないわれはない。
佃たちは敢然と立ち向かうのだが…。
*   *   *
話に引き込まれた。
“半沢直樹”が人気があるのも納得。

前半は特許訴訟の駆け引き。
そこからの思わぬ展開。
昔の大きな夢に向かって佃が動きだす。
社内外の弊害を乗り越えながら、それは、いつしか会社全体の夢にオーバーラップしてゆく。

自分自身、この小説に出てくる“会社”という組織に組み込まれている一人して、登場人物たちにとても親近感が湧く。
色々なタイプ人物が出てくるが、果たして自分はどんなタイプなのか。
この状況だったら自分はどちらの立場に立つのか…。

佃や財前や殿村の発するセリフにはグっとくるものがあった。

2014年1月13日月曜日

利休にたずねよ

切腹前日。
煮えくり返るような怒り。

秀吉との確執。
それは、あの“緑釉の香合”を見てからか。

妻の宗恩。
利休の心に住む女に気がついていた。
利休最期の日。
悲しいとは違う感情。
―くちおしい。
宗恩は、緑釉の香合を打ち砕くのだった。
*   *   *
侘び寂びの世界。
そこに芽吹く、匂いたつ命。
利休の根底にある女の存在。
それは、寂れたなかに艶を生み出す。

秀吉と利休。
互いに良き(?)理解者だった。
似ていないようで、根本的には似た者同士だと感じた。

小説では、現在から過去へ回想していくように物語が進み、毎回、主人公が変わる連作短編のような構成だ。
映画化されたが、ミステリーの要素もあると思うので、ドラマ化したらおもしろいと思った。
まあ、話が地味すぎるので難しいとは思う。

某国営BSでなら何とかイけるンじゃないのかな?