2008年9月28日日曜日

燃えよ剣

「竜馬がゆく」と双璧を成す司馬幕末作品の代表作。言わずと知れた新選組の物語。副長である土方歳三の半生を軸に、新選組の隆盛から衰退までを描いてい る。喧嘩が得意で、その延長から軍才が拓けた人だが、政治感覚はなかったらしく、最後まで「喧嘩が華だ」と生きた人だったようだ。
 先年、大河で 「新選組!」で土方を演じていたのは山本耕治だが、これを読むと、あのキャストのなかで、一番マッチしていたように思える。大河が終了した一年後ぐらいに 「新選組!土方最後の一日」というSPドラマを放映したのだけれど、「山本くん。カッケー!」と思いながら見たのを思い出した。
 司馬さんも意識 していたかどうか、坂本龍馬と土方歳三、水と油、のような敵対関係にあったが、人物像は不思議と、幼少時代などが似ているところが多いように感じた。ほと んど相見えることがなかったふたりだが、どこか性格というか感覚というかが、似ているような気がするのはオイラだけか? 最後の解説は陳舜臣が寄稿してい るのだが、自分の意見に通じることを書かれていた。
 土方最後の五稜郭攻防のクダリは、鬼神のごとく突き進む様子が、目の前に見えるようであった。

2008年9月14日日曜日

剣の天地

 新陰流を編み出した上泉伊勢守信綱の物語。
 新陰流と言えば柳生宗厳を祖とする“ 柳生新陰流”を思い出すが、上泉伊勢守は、そのお師匠さんだった人だ。かの有名な“ 無刀取り”は上泉伊勢守が、柳生宗厳に課した課題で、この課題に見事応えた宗厳は、新陰流を正統を相伝されることになるのだった。
  群馬県大胡、赤城山の南に位置する小さな領主で、塚原卜伝や陰流の愛洲久忠に師事して、陰流の流れをくむ新陰流を興した人らしい。その当時は、上杉謙信・ 北条氏康・武田信玄の間で揺れ動く難しい状勢下で、上泉伊勢守は箕輪城主・長野業政に協力して、上杉氏の配下に。その後、家督を息子にゆずり、剣を極める 旅に出た。
 戦国武将として立派に戦い、一個の剣士として剣を極め、柳生宗厳へ正統派を譲るまでが書かれている。
 最後に十河九郎兵衛との、壮絶な決闘が描かれている。…が、孤高の剣士には、それすらも“ 無益”であった。
 剣聖といわれた伊勢守だが、とても温和な性格の持ち主だと感じた。…だから“ 剣聖”なのか!? 剣豪と称される、宮本武蔵や柳生十兵衛と比較してみるのもおもしろいかも。