2016年12月28日水曜日

岳飛伝(一)三霊の章

大水滸伝最終章が文庫化。
とうとう。
早速。
間があいたら人物が…。
やばい。
名前を見て思い出し、自然と目頭が熱くなったり…。
これ誰だっけ? 記憶の糸が切れている人物も。
これから書くことはぶつ切り状態になりそう…。
すいませんm(_ _)m。
*   *   *
山士奇。
梁山泊で王清と出逢う。
燕青の護衛だった。
鉄笛。
なつかしい。

岳飛。
楊令に負け、片腕をなくし、それ以上のものをなくしたのか。
しかし“尽忠報国”を背に金国と対峙している。
トレーニングは欠かさず。

呉用。
洪水で物流の道が閉ざされた。
秘策を案じていた。
もう楊令はいない。
決断の時。

王清は燕青と子午山へ戻る。
王進は七十を越えたが変わらず。
公淑が倒れる。
燕青の妻・郝嬌が世話をするのだった。
*   *   *
梁山泊では頭領である楊令が死に、人々の心に穴が。
しかし物流は生きている。
張朔や王進など若い世代が陸海で航路を開こうとしていた。
岳飛は腕と同じぐらいの心を亡くした。
しかし鍛えることはやめない。
一兵卒とも気さくに話をする。
特別なものを感じない。
楊令と比べということではあるが。

2016年12月27日火曜日

十二国記 風の海 迷宮の岸

「魔性の子」の高里が神隠しにあっていた。
その間の物語…のはずだ。
*   *   *
高里は泰国の麒麟・泰麒だった。
白汕子は捨身木の前で卵果が落ちるの待っていた。
しかし、まさかの大規模な“蝕”が起きる。
それに巻き込まれ、卵果は行方知れずに。

十年後、他の国の麒麟により蓬莱(現実世界)で発見。
連れ戻された泰麒。
女仙や汕子に守られながら、麒麟として成長していくのだが…。
*   *   *
「魔性の子」を先に読んだものだから、最後どうなるのかなと思って読んだのだけれど、そこまでは語られていない。まぁ考えてみれば、書かれたのはこちらが先だからかもしれない。
麒麟とは何ぞや? みたいなものが、泰麒(高里)の目を通してわかるようになっている。

2016年11月25日金曜日

十二国記 月の影 影の海(上・下)

陽子は女子高生。
どちらかといえば優等生。
女子校に通い、世間に合わせ生きている。
ある日、キモノを着た金髪ロン毛の男が突然現れた。
剣を渡され“誓い”を立てさせられる。
うようよと怪物が陽子を襲う。
何がなんだかわからない。
キモい背後霊が陽子に憑依。
金髪ロン毛が命じたのだ。
それにより、怪物を倒す陽子。
なし崩し的に異界へと連れ去られる。
しかし、更なる追手。
陽子は暗い“海”へと落ちてしまう。
*   *   *
今となってはファンタジー王道なる展開。
その後、異界で陽子は前半散々な目に。
主人公の陽子はこれでもか!というぐらい人に裏切られる。
異界の人や、帰りたいと願う現実界に対しても疑心暗鬼の塊になってしまう。
しかし、それを救ったのは人間ではなく“半獣”の楽俊というネズミだった。

2016年11月1日火曜日

十二国記 魔性の子

十二国記に手を付けてしまった。
小野不由美といえばホラー。
ホラーは苦手。
だがファンタジーには興味がある。
…ということで、長いけど挑戦してみる。
読み進める順序は、新潮文庫を規範とする。
*   *   *
広瀬は母校に教生として戻ってきた。
そこに、奇妙な生徒が。
高里は“異質”だった。
広瀬は彼に惹かれる。

高里の周りでは奇妙な事件が起こっている。
祟るという。
彼に対して好悪関係なく“排除”されていく人々。
広瀬は彼を擁護する。
しかし、事件はエスカレートしていく。

高里は何者なのか。
神隠しの謎は。
後藤は言う。
「広瀬と高里は似ている。しかし決定的に違う。高里は“異質”なのだ」と…。
*   *   *
このスピードで読めるということは、自分にとってとてもおもしろかったのだろうと思うし、読みやすかった。
この本だけでは、高里が何者なのかということが、全然分からない。
だから、この本だけで完結させられていたら、かなり怖い小説だったし、後味が悪すぎる。
このあとの展開(十二国記シリーズ)が、どうなっていくのか、つかみはオッケーだ。
期待してしまう。

2016年10月26日水曜日

鹿の王

アカファ岩塩鉱が山犬?に襲われる。
次々に倒れる奴隷たち。
ヴァンも例外でない。
しかし奇跡的に生き残り、岩塩鉱から脱出。
ひょんなことから出会った赤ん坊。
その赤ん坊ユナを連れて逃亡。
途中、足を挫いた青年トマと出会う。
飛鹿を逃がしたと言う。
その理由からヴァンは飛鹿を取り戻してやる。
それが縁でトマの故郷に厄介になることに。

岩塩鉱の事件から数日後。
ホッサルは調査に入る。
狂犬ノ病?
いや、古オタワル王国を滅ぼした黒狼熱。
ほぼ断定したホッサル。
ほぼ全滅の奴隷たち。
しかしヴァンの存在が明らかに。
付き人のマコウカン。
後追い狩人のサエ。
ふたりにウァンの跡を追わせるのだが…。
*   *   *
医療ファンタジーと、ひとことで言ってしまうのは、おこがましいか。

生き残ったヴァンとユナ。
ふたりには大きな変化と共通点が備わった。

病とは何か。
その土地で暮らす人とびとにとって問題ないもの。
侵略、移民によって、それは救いのないものに化す。
さらに、それを兵器とする愚かさ。

著者が伝えようとしたことは、おぼろげに理解できる。
ファンタジーで表現した分、病の構造が単純明快になった。
ただその分、終わり方がしっくりこなかったというか…。
翻れば、あの終わらし方しかなかったのかな、とも思う。
う〜ん。これが本屋大賞を獲ったのかぁ。

2016年9月3日土曜日

新世界より












近未来。
人類は念動力(PK)を手に入れた。
そして千年後の未来。
主人公たちは、神栖66という小さな町で“平和”に暮らしていた。
八丁標の外へ出るまでは…。
*   *   *
いや〜おもしろかった。
久しぶりの一気読み。
自分は見逃しているのだが、マンガやアニメにはなっているようだ。
これを実写映像化することは難しいだろうと思われる。
…まあ、出きないことはないだろうが…。
「悪の教典」は、よくもまあ、あの小説を映像化したなと思ったものだが。
だから、逆に三池監督には頭がさがる思いがする。

改めて、著者の貴志祐介の“想像力”には感服してしまう。
そして、影の主役は間違いなくスクィーラだ。

2016年8月14日日曜日

吹けよ風 呼べよ嵐

須田弥一郎は従兄弟の甚八郎。
ふたりは揃って岩鼻へ。
上田原の戦いを見物。
義父や実父が参戦。
相手はあの武田晴信。
劣勢は優勢に。
だが若輩の眼には分からない。
危険を察知し、須田大岩郷に戻る。
味方の勝ちを知る。
弥一郎たちは安堵する。

弥一郎は元服し満親となる。
そのころには試合巧者の晴信。
着々と小県を謀略の渦へ。
村上義清は須田勢に加勢を求める。
満親と信正(甚八郎)は砥石城へ詰める。
ともに初陣を飾るのだった。

庶家の信正の妹・初乃は満親の許嫁。
ここに来て信正の父・信頼は輿入れを渋る。
怪しい。
信正に探りを入れる満親。
そっけない。
一転して婚儀が整う。
手のひらを返したようだ。
安堵する満親だった。

そんななか再び砥石城へ。
しかし謀略により強襲される。
手引したのは、あろうことに信正だった。
満親は裏切られたのだ。

気絶した満親。
縛られている。
首実検しているのは真田幸綱(幸隆)。
そのなかには実父の首が…。
憤る満親。
庶家の信頼・信正父子は真田に降っていたのだ。
謀略を得意とする冷徹な幸綱。
さらに満親を利用しようとする。

しかし満親は、その謀略を逆手に利用。
村上方と謀った作戦は成功。
囚われの初乃や本家の人々を救う。
それを知った信正。
「裏切ったな満親!」
「それはこっちのセリフだ!」
…とばかりの戦い。
精も根も尽き果てようというとき。
義父の満国が加勢に戻る。
信正たちは引いてゆく。
…仲の良い従兄弟。
今は憎き敵となってしまったのだった。

村上方の合議。
打って出るか。
それとも…。
満親は提案する。
越後に救いを求めることを…。
そして、自身が使者に発つのだった。
*   *   *
主人公の須田満親は、今の須坂の出のようだ。
何と言っても地元の物語なので、情景が想像しやすい。
作者はかなり克明に取材したようで、近辺のありとあらゆる国人名や山城名が所狭しと出てくる。
それでいて、説明臭くなく読ませるのは作者の力量だろう。
川中島の戦いを題材にした小説は数多くあるが、只中の国衆を主に据えたものは少ないだろう。
取材による裏付けで真実味があり、ワクワクしながら読めた。
義に厚かった須田満親は、長尾景虎(上杉謙信)に心酔していく。
面白かったのは、この時期(真田丸放映時期)に、武田信玄と真田幸綱が極悪に描かれていることだった。
ただ、真田丸を見ていると、この話も妙に納得できるのは、三谷幸喜の脚本が素晴らしいことを、裏付けすることにもなっていて、個人的にはうれしい限りだ。
じつはこの物語には続きの構想があるらしい。作者のホームページにあるのだが、本の売れ行き次第での実現らしい。
ぜひ読みたいものだ。

2016年8月2日火曜日

RESPECT 監督の仕事と視点

松本山雅の反町康治監督(敬愛をこめ以下ソリさん)。
信濃毎日新聞にコラムを書いている。
監督初年度2012年から月一ペースで掲載。
これは今年2016年のはじめまでをまとめたもの。
激動のJ2→J1→J2。
コラムはまだ続いている。

ソリさんのサッカーに対する思いや考え方。
監督としての矜持。
選手に対する姿勢。
細かい戦術。
バルセロナへのコーチ留学。
オシム監督に付いて学んだこと。
などなど…。

オイラは2014年から、本格的に山雅の試合を見るようになった。
その時期の試合と、このコラムの内容を照らし合わせる。
すると、監督の考えや思いがどう試合等に反映されているのかが見えてきて、興味深く読まさせていただいた。

とくに感銘を受けたのは、選手に対するプロ意識の植え付け方。
先日、水戸から三島康平選手が移籍してきた。
賛否両論あるなか、この本を読んだおかげで、今は彼の移籍に納得できるし肯定もできる。

監督とは孤独な作業の連続。
ピッチに立って指示をし、選手交代の采配を振るう。
目に見える部分は、氷山の一角にすぎない。
智将と呼ばれるソリさんの、プロ根性が垣間見える一冊だ。

松本山雅FCをここまでのプロチームに育て上げたのは、間違いなくソリさんの功績!!
オイラとしては、マンUのアレックス・ファーガソンのように、恒久的に山雅の監督でいてほしいです。
そして“ソリーズ・フレッジリングス”をたくさん育ててくださいm(>_<)m

2016年6月28日火曜日

命もいらず名もいらず(明治編)

慶喜はあくまで恭順謹慎。
鉄舟はその意を汲み奔走。
江戸を火の海から救うべく動く。
勝海舟に談判。
ノリ気ではない勝。
しかし鉄舟の熱意に決心する。
益満休之助の案内で駿府へ。
清水次郎長らの助けを経る。
西郷隆盛と談判。
真正面からぶつかる。
その甲斐あって無血開城が成立。

明治維新。
徳川家は静岡へ転封。
移動だけでも大事業だ。
それに火種はまだくすぶっていた。
彰義隊が上野で。
榎本武揚は艦隊を率いて北へ。
鉄舟は東奔西走。
日本の安寧のため調整役を努める。
“精神満腹”。
仁を以って様々な人々を説いていく。

静岡に移った旗本たち。
食い扶持探し。
“茶”だ!
茶の栽培を牧之原に推進する。
しかし、それには金が必要。
勝海舟に相談。
その変わりに明治天皇の侍従に。
20年勤めることになる。

そして、鉄舟は精神を高めている。

禅。
星定和尚や滴水和尚に参禅。
厳しい禅問答。
浅利又七郎の影に立ち向かう。
商人の平沼専蔵の言葉がヒントに。
フッと力が抜けたように大悟した。

剣。
大悟した次の日。
浅利又七郎の影と闘う。
今までと違う手応え。
本人と試合。
とうとう浅利に勝つ。
一刀流を継ぐ。
そして新しい流派・無刀流を開くに至る。

書。
鬼のように書いた。
フスマ千二百双とか。
一日に何千枚書くことも。
筆致も速い。
落款を押す弟子が間に合わないほど。
看板の揮毫も。
思いついたことを自由に。

今際の際まで弟子に稽古をつけた。
座禅を組んだまま絶命。
*   *   *
酒も浴びるほどの大酒飲みだったようだ。
いろいろ武勇伝が書かれている。
今ではとても考えられない。
禅剣書。
侍の本分だろうこの三つを極めた山岡鉄舟。
文字通りの“ラストサムライ”だろう。

2016年6月6日月曜日

命もいらず名もいらず(幕末編)

小野鉄太郎の父は飛騨の郡代。
鉄太郎は性格は豪快だ。
寺の鐘を持って帰ろうとした。
和尚は冗談でいったことを本気にした。
意地でも曲げない。
父が仲裁に入って事なきを得た。

父が招いた井上清虎に師事。
北辰一刀流を学ぶ。
書も熱心に習う。
入木道五十二世を襲名。
なんと若干十五。

父が亡くなる。
後を異腹の兄・鶴次郎が継ぐ。
江戸へ帰る。
大勢の弟と狭い部屋へ押し込まれる。
恵まれない生活。
兄への憤り。
そんな折、井上が江戸へ。
北辰一刀流・千葉周作の玄武館へ。
きびしい修業の日々。
そこで清河八郎と出会う。

兄との溝は広がるばかり。
井上のはからいで、弟たちと家を出る。
小石川に小さい家を構える。
…で挨拶回り。
一件から異音。
槍の稽古の音。
それに感服した鉄太郎。
音の主、山岡静山に弟子入り。
玄武館と静山の道場をかけもち。
意気軒昂。
しかし、静山突然の死。
弟の謙三郎は高橋家に養子に出ていた。
この弟が後の“高橋泥舟”。
鉄太郎は、妹の英子と結婚。
山岡家を継ぐ。

黒船来航の影響で講武所ができる。
鉄太郎も井上の推挙で講武所へ。
他流とも切磋琢磨する日々。
世は刻々と幕末へ。
*   *   *
鉄太郎は攘夷派だが、幕臣である以上、清河八郎らとは一線を引いていたようだ。
千葉道場はじめ、槍の山岡静山に師事。
さらに浅利又七郎の一刀流道場にも通っている。
禅も熱心にしていた。
女も極めようと吉原に通い詰めたらしい。
すべて、己を高めるため。
すさまじいまでの求道心だ。

2016年5月13日金曜日

史記 武帝記(七)

劉徹。
匈奴戦に大敗。
李広利は降り、孫広は李陵に斬られた。
諦念。
変わったのか。
次代を見据え、じっと目を凝らす。
桑弘羊に御史大夫に就くよう、辞を低くする。
命令ではなく、最初で最後の“願い”だった。

桑弘羊。
霍光は霍去病に連なる者。
桑弘羊に厳しく詰め寄る。
一目を置く。
司馬遷とも、いつしか語り合う仲になっている。

李陵。
とうとう戦がなくなる。
自分の生き場所は…。
見出したのは“北”
蘇武とともに“冬”を越す。
“命”がひりつく。
限界と戦う。
新たな“戦”が見つけようとしていた。

司馬遷。
書き上げていた。
書肆で出会った少年。
自宅で書を読ませることに。
余裕が生まれていた。
これが余生なのか。

とうとう劉徹が死に、長い武帝の時代が終わる。
しかし、死して尚、劉徹は、李陵と蘇武を翻弄する…。
*   *   *
どうしたって、中島敦の「李陵」と比べてしまう。
決定的に違うのは、李陵と蘇武の気持ちのありようだろう。

蘇武の北での生き様に、強く心惹かれた。
前半に登場する張騫もそうだ。
そして、その対局とも言える“サバイバル”を成したのは司馬遷だ。

死とは何なのか。
国とは何なのか。
その“国”に振り回される人々の人生とは…。
それは“自分”にも、投げかけられた問いだ。

ただ作者はヒントも出している。
それは“諦念”だ。
あれほど死を恐れていた劉徹さえも、老いて、その境地にたどり着いた。
運命を受け入れ、それに対して足掻き藻掻くことが“生きる”ということなのか。
ただとてもじゃないが、自分にはその境地には達っせられるとは思えない。
…何か、すごく考えさせられる。

2016年4月25日月曜日

史記 武帝記(六)

李陵。
降将ではあるが厚遇を受ける。
狐鹿姑とは友情が芽生える。
劉徹は李陵の一族を族滅。
絶望。
這い上がる。
そして戦人となる。
狐鹿姑が単于となる。
李陵は頭屠と並ぶ将軍へと成長していく。

蘇武。
狼の徹は友のような存在に。
北海の北。
人の住めるような寒さではない。
冬の越し方を工夫する。
何年もひとり。
しかし、蘇武は生きる喜びを、いつしか見出してゆく。

司馬遷。
史書を書き上げ続ける。
帝に本紀を見せることに。
劉徹は読みふける。
連綿とした帝の系譜。
そして劉徹の記述も鮮やかだ。
歴史書として完璧。
劉徹は桑弘羊にも読ませる。

劉徹。
体が懈く、気分がすぐれない冬。
政務を気性に左右されながら行うことが多くなる。
死を恐れている。
天子であれば死ぬことはないとも思っている。
死ねば新しい都で暮らすとも思っている。
*   *   *
李陵と蘇武が邂逅。
それは、おだやかではある。
ともに何かを失い、違う人生を生き始めていた。
お互いを尊重しながらも相容れない。

李陵、蘇武をはじめ司馬遷。
頭屠、ふりかえれば衛青や霍去病。
一度は死に、その死を乗り越えた。
だから死を恐れないのか。
共通してることは“諦念”か。
だから強く生きるられるのか…。
それらの人々に強く影響を与えている帝・劉徹。
その彼が一番、死を恐れている。

2016年4月2日土曜日

史記 武帝記(五)

蘇武。
一度は自死を試み、助けられる。
単于・且てい侯は再三降伏を促す。
それを拒み野に降る。
そこは極寒の地。
ほぼ本能で生き延びていく。
いくつかの冬を越えたくましく生きぬていてゆく。

李陵。
霍去病とまではいかないが頭角を現す。
しかし、かつての軍の姿はない。
輜重隊を拒む。
討って出ることを帝に上奏。
息を呑む廷臣たち。
帝は痛快に思ったようだ。
五千の歩兵だけで敵地奥深く進む。
善戦したものの囚われの身。
一度は死を覚悟。
敵将で単于・長子の狐鹿姑に諌められ、匈奴に降る。

司馬遷。
李陵が降ったことを肯定。
腐刑に処せられる。
理不尽にもがき苦しむ。
中書令に任官、書記のようなものか。
冷静な目で帝や廷臣たちを記録していく。
家では、父の遺志を継ぎ、史書を書き続ける。

桑弘羊。
血を吐く。
徐々に回復。
帝が心配し、大司農を解き軽い役職に。
余裕ができた。
目に止まったのは司馬遷の報告書。
今の司馬遷は語るに足る。
桑弘羊は腹を割って話をした。
それは、ほぼはじめて事だった。
*   *   *
匈奴に降ることを、潔しとしなかった蘇武は、北の極寒の地で生き抜いてゆく。
一方、善戦したものの死ぬことを潔しとしなかった李陵は、囚われ降将となる。
ふたりのとった行動は同じでも、想いは真逆だ。
この二人が邂逅を果たすとき、どのように感情が交錯するのか…。
ただ、二人に共通することがある。
それは、死ぬことを潔しとしなかったことだ。
それは司馬遷にも言えること。
死を恐怖することは、人として当たり前だが、それを克服した人間は強い。
劉徹はどうなのか…、どうなるのか。

個人的には蘇武が、どうなるのか気になっている。
それと狼の徹がとても気に入っている。

2016年3月25日金曜日

攻撃的サッカー

“フライング・ダッチマン”ことヨハン・クライフさんが亡くなった。
謹んでご冥福をお祈りいたします。

この本では、彼が標榜したシステムも紹介されている。
それを継承し醸成したペップ・グラウディオラ。
彼が率いるバイエルンは今、CLでユーベを撃破し波に乗っている。
その采配は凄まじいものがある。
近代サッカーは、監督の采配がモノを言うように変化しているようだ。
4-3-3
4-2-3-1
3-4-3
この本を読むと、いかにシステムが重要かが分かる。

日本代表。
昨日見せたアフガン戦での攻撃的サッカー。
ロシアW杯でも披露できるよう、ハリルホジッチ監督には導いていってほしいものだ。

さて、欧州では14-15シーズンも終盤だ。
プレミア。
岡崎所属のレスターが、まさかの優勝を争いを演じている。
CL出場は決定だろう。
うれしい限りだ。
ブンデス。
今シーズン、ドルトムントは好調。
しかし香川は藻掻いている状態だ。
セリエA。
ミラン本田は、今シーズンも叩かれてる。
憎まれっ子世にはばかる。
今、中核選手として定着しつつある。
「伸び代ですね!!」

リオ五輪出場が決定したU-23。
劇的な逆転でのAFC優勝は感動を呼んだ。
そんな若き侍は、明日、ロンドン五輪優勝のメキシコとTMで対決。

オイラは松本山雅を応援している。
チーム率いる反町監督は“智将”で知られている。
彼のことだから、この本も読んでいよう。
昨年、“昇格請負人”として望んだJ1挑戦は、残念ながら実を結ばなかった。
今年はそれを補い、J1定着を目指しバージョンアップをはかっている。
山雅には、この本が標榜するようなサッカーは夢かもしれない。
しかし、自分がじぃさんになるころには、バルサとは言わない…。
広島やG大阪のようなサッカーが出来るようになっていてほしい。
ソリさんには、それまで粘り強く指導してもらいたい。
マンUを永く導いたアレックス・ファーガソンのように、末永く山雅を視てもらいたいものだ。

サッカーのある幸せ。
専ら観る専門。
でも、たまにはめいっ子とボールを蹴ったりしますw

2016年3月18日金曜日

史記 武帝記(四)

霍去病がまさかの病死。
劉徹は死を恐れはじめる。

張騫は使節団として西へ。
さらに西の国々に使節を送り込む。
大宛から大きな馬を連れて帰国。
それを李陵と蘇武は興奮の眼差しで眺めていた。

劉徹はその汗血馬に強い興味を持つ。
身毒(インド)にも興味を示し、西南の道を開こうとする。
その軍監には司馬遷の姿も。

黄帝と始皇帝。
この二人しか行わなかった“泰山封禅”
劉徹はこれを決行。
司馬遷の父は同行を許されず憤死。
父の意志を受け継ぐ司馬遷。
太史令となる。

衛青は病の床。
匈奴の脅威が去った今、軍馬は減らされていた。
匈奴はいつか息を吹き返す。
憂う衛青。
李陵に光を見出すのか。
最期がきた。
あの、砂漠の風に立ち尽くしている…。

劉徹に逆らうものはいなくった。
桑弘羊は憂う。
しかし、自分も何もできていない。
国庫を潤すことに専念。
大司農となる。

匈奴が息を吹き替しつつある。
単于は、伊穉斜から長男へ。
それから兄弟が歴任し、三男・且てい侯に。
頭屠は伊穉斜に“四番目の息子”とされていた。
その頭屠は精強な軍を創り上げていった。

蘇武が匈奴への使節に選ばれる。
「土産で単于をなだめてこい」ということ。
しかし、ある誤解から囚われの身となるのだった。
*   *   *
劉徹の治世で絶頂期を迎えた漢。
泰山封禅を行い、天に近づこうとする劉徹。
それは死への恐怖からか。

隆盛を極める漢。
そのカゲでひっそり張騫が死に、衛青が逝く。

そして、英邁から暗愚へ。
もう劉徹に逆らうものはいない。

2016年2月29日月曜日

史記 武帝記(三)

たび重なる匈奴との戦。
目的のない戦。
衛青は頭屠に斬られ重症を負う。

衛青の代わりを受けた霍去病。
大活躍。
匈奴から河西を奪る。
漢軍は波に乗じる。
とうとう匈奴を漠北へ追いやる。
しかし、別働隊の李広。
本体へ合流に失敗。
単于・伊穉斜を撃ち漏らす。
李広は自裁する。

張騫は西域の特使として大宛へ。
そこからさらに西域へ副使を飛ばす。
汗血馬を土産に帰国。
劉徹はその馬と身毒(インド)に強い興味を抱くのだった。

武帝時代の絶頂期がやってきた。
霍去病は衛青と並ぶ大司馬に。
その霍去病が…。
*   *   *
もっとも寵愛していた者を亡くす劉徹。
心の闇が広がっていく。
衛青や張騫も中天を過ぎていく。
李広の孫・李陵は親友・蘇武とともに衛青に学び成長してゆく。

司馬遷は道理でしかものを考えない堅物。
桑弘羊に見出された、というわけではないが、“史記”を語る上で外せない人物。
強い“漢”を描いてきた著者が、この人物をどう表現するのかが気になるところ。

劉徹の変化と司馬遷の不変化が、いつ交錯するのか。

2016年2月21日日曜日

史記 武帝記(二)

張騫。
匈奴を脱出。
キツイ旅を乗り越え大夏へ。
国交を開く。
仲間を二人置き漢へ。
しかし、途中でまた匈奴にとらわれる。
伊穉斜の反乱に乗じ脱出。
念願の長安への帰還。

衛青。
帝が河南を取れという。
取れば翼が広がる。
三万という寡兵。
しかし素晴らしい戦果を挙げる。
常勝。
そして大将軍へ。

伊穉斜。
兄の軍臣が崩御。
甥の於単との戦いに勝ち単于(匈奴の帝)に。
すべては衛青との戦に勝つため。
頭屠を草原で見出す。

司馬遷。
見聞を広めるため旅をする。
まだ二十歳そこそこだ。
自分がまだ何を成したいの分からない。
河水の決壊してかなり経つ。
治水が進まないことを憂いている。
後に郎中にのぼり、桑弘羊に見出される。

霍去病。
伯父の衛青。
早くからその才を見出す。
帝の劉徹に寵され侍中に。
しかし本人は戦に出たい。
伯父の侍中となるため軍に潜入。
厳しく対する衛青。
しかしその才能を少しずつ認めていく。
ついには十七して将軍となる。
*   *   *
劉徹は外戚とのしがらみをやっと断ち、自分の思うような政治を始める。
主には戦で漢を富ませようと考える。
衛青はそれに応えていくが重荷にもなっていく。
それを危ぶむ霍去病。
衛青を超える将軍へ成長していくのか。

2016年2月4日木曜日

史記 武帝記(一)

衛青。
大長公主の拉致から脱出。
劉徹(武帝)に、それを快く思われた。
将軍へと見出される。

張騫。
若き劉徹からの命令。
西域行を試みる。
しかし匈奴に囚われ、すでに十年。
脱出し命令遂行を試みる。

劉徹。
“漢”という巨鳥の翼を西に広げたい。
匈奴との戦いを“守”から“攻”へと考える。
その悲願のため、衛青を見出した。
衛青はそれに応えていく。
そして単于庭手前、龍城まで攻め上がり凱旋するのだった。
*   *   *
まだ、岳飛伝が文庫化されない。
待っている間、この史記を、偶然安く手に入れたので読み進めてみる。
ただ作者も同じなので、騎馬戦の描写などカブる場面も多く混乱している。
登場人物が多い。
大水滸伝とも混同しないように気をつけねば…。
個人的には、張騫の西域行がどうなるのか気になっている。
そして、司馬遷や李陵がどう登場してくるのか楽しみだ。

2016年2月3日水曜日

いなくなれ、群青

七草(僕)は、“階段島”に飛ばされていた。
4日間の記憶が無い。
この島は“魔女”が管理する地図にも載らない島。
ここから脱出するには、“なくしもの”を探しだすしかない。
しかし七草は、この島の生活を気に入った。
平穏に過ぎる日常。
しかし、彼の前に真辺由宇が、忽然と現れる。
“平穏な日常”は終わりを告げる。
*   *   *
ピストルスターの落書きのクダリがキモ。
急に物語が急カーブを切って加速する。
ちょっと唐突なので、少し戸惑った。

人は成長すると丸くなる…。
この小説は、その削れた“角”にスポットを当てている。
なんともノスタルジックな話だ。
ただ、魔女の存在が現実とつながっている。
この「いなくなれ…」だけを読む限りでは、ファンタジーなのだけれど。
どうも続編と続々編がある。
物語は完結はしていない。

ラノベというジャンルは長編も多い。
う〜む。
続編が気にならないわけではないが、どうしたものか…。
読むかどうか、正直迷っている。

2016年1月21日木曜日

謙信の軍配者

四郎左は武田で公私ともに絶頂期。
しかし、息子の太郎丸が死ぬ。
失意のなか、さらに雪姫が労咳。

一方、長尾景虎の前にいた。
直江実綱は足利の旧友・景岳。
実綱を頼り景虎、後の謙信の軍配者となる。

川中島一回目。
景虎は義経のような攻撃。
見事少数で勝利。
それを皮切りに晴信の喉元まで迫る。
四郎左が足で確かめなければ死ぬところ。

北条高広が謀反。
しかし、景虎は手ぬるく許してしまう。
周りの豪族たちに、景虎に対する驕慢が生まれる。
謀反のカゲに武田の調略。

川中島二回目。
武田のやり方に怒る景虎。
義戦を試みる。
しかし、今回の越後勢は精細を欠く。
数もたったの三千。
理由は北条高広の仕置き方にあった。
晴信は機動力を活かし、木曽から七千で駆け戻る。
四郎左と挟撃作戦。
見事勝利。
しかし、晴信は雪姫のもとにいち早く帰りたい。
雪姫の命は風前の灯火だった。
ほぼ無条件で和睦が成立する。
晴信は長く喪に服す。

甲斐に戻ると、四郎左には吉報が待っていた。
子どもが産まれていた。
名をもう一度“太郎丸”とする。

越後では豪族たちの小競り合い。
嫌気が差した景虎。
「高野山へ行って出家する」
最初、重臣たちは本気にしなかった。
数カ月後、景虎は本当に高野山へ。
重臣たちは連判状を認める。
それが景虎を寸前で思いとどまらせる。
ここに越後の結束が固まった。

こうした間にも晴信は調略。
北信濃はおろか越後の大熊にまで。
これに激怒する景虎。
川中島三回目。
今回は、ほぼ睨み合いで終わる。

景虎は満を持して上洛。
天皇や将軍から、関東管領のお墨付き。
あとは神のみ。
越後に戻り鶴岡八幡宮へ。
しかし、鎌倉は云うに及ばず北条領。
厩橋城で景虎は檄を飛ばす。
関東管領の名の下に数万が集まる。
その勢いをかって鎌倉を陥とす。
悠々、鶴岡八幡宮で関東管領に就任。
名も“上杉政虎”に改名。
そして小田原攻め。
小太郎は籠城を勧め、氏康は苦渋の選択。
しかし、このことで小田原の堅城ぶりを世に知らしめた。

こうした間にも晴信は調略。
四郎左は海津城築城。
景虎は、晴信の姑息さに激怒。
また檄して一万二千ほどで妻女山で陣を張る。
晴信も対抗し二万ほどで茶臼山に陣を張る。
川中島合戦四回目。
世に云うの八幡原の激戦がはじまった…。
*   *   *
題名が「謙信の軍配者」だから、もちろん主人公は冬之助。
…と思いきや、長尾景虎のキャラが強すぎてカゲが薄まった感が否めない。

終盤に景虎が「心に迷いが生じたときには、じっと目を瞑って心静かにすれば、必ずや、神仏が導いてくださるのだ」と言うが、「早雲の軍配者」で、早雲庵が小太郎に言った言葉も、まさにこれだった。
もし、早雲と景虎が戦ったら…と思わずにはいられないセリフだった。

青渓、鴎宿、養玉にとって、足利学校はまさしく“母校”だ。
存在は知っていたから、何度か栃木を行き来した際に、観光しようとして叶わずにいる。もし行けるチャンスがあれば、ぜひ寄ってみたいと思う。

2016年1月4日月曜日

信玄の軍配者

小太郎と別れた四郎佐。
あれから九年。
流浪を重ねた。
しかし夢はかなわず、今は囚われの身だ。
軟禁生活の四郎左。
そこへ無人斎が現れる。
甲斐を追放された武田信虎だ。
無人斎は四郎左にある企みを持ちかける。
四郎左を使って甲斐へ返り咲こうというのだ。

事件が起き四郎左は駿河を脱する。
そして不本意ながら小太郎を頼る。
小太郎の助力で足利学校へ。
鉄斎と話す。
武田が面白いと言う。
その言葉を信じ、四郎左は武田へ赴く。
そして晴信と運命的な出会いをするのだった。
*   *   *
その後は、諏訪の上原城での戦いを皮切りに、山本“四郎左”勘助の活躍が描かれていく。
そして、志賀城攻めでの旧友・曽我冬乃助とのとの再開。
彼との約束は川中島へと誘う。
個人的には、砥石崩れや、その後の海野源太左衛門(後の真田幸隆)の活躍も読みたかったが、この物語は、あくまでも四郎左の物語。
そして、次は宇佐美“冬之助”定行の物語。