ふたりは揃って岩鼻へ。
上田原の戦いを見物。
義父や実父が参戦。
相手はあの武田晴信。
劣勢は優勢に。
だが若輩の眼には分からない。
危険を察知し、須田大岩郷に戻る。
味方の勝ちを知る。
弥一郎たちは安堵する。
弥一郎は元服し満親となる。
そのころには試合巧者の晴信。
着々と小県を謀略の渦へ。
村上義清は須田勢に加勢を求める。
満親と信正(甚八郎)は砥石城へ詰める。
ともに初陣を飾るのだった。
庶家の信正の妹・初乃は満親の許嫁。
ここに来て信正の父・信頼は輿入れを渋る。
怪しい。
信正に探りを入れる満親。
そっけない。
一転して婚儀が整う。
手のひらを返したようだ。
安堵する満親だった。
そんななか再び砥石城へ。
しかし謀略により強襲される。
手引したのは、あろうことに信正だった。
満親は裏切られたのだ。
気絶した満親。
縛られている。
首実検しているのは真田幸綱(幸隆)。
そのなかには実父の首が…。
憤る満親。
庶家の信頼・信正父子は真田に降っていたのだ。
謀略を得意とする冷徹な幸綱。
さらに満親を利用しようとする。
しかし満親は、その謀略を逆手に利用。
村上方と謀った作戦は成功。
囚われの初乃や本家の人々を救う。
それを知った信正。
「裏切ったな満親!」
「それはこっちのセリフだ!」
…とばかりの戦い。
精も根も尽き果てようというとき。
義父の満国が加勢に戻る。
信正たちは引いてゆく。
…仲の良い従兄弟。
今は憎き敵となってしまったのだった。
村上方の合議。
打って出るか。
それとも…。
満親は提案する。
越後に救いを求めることを…。
そして、自身が使者に発つのだった。
* * *
主人公の須田満親は、今の須坂の出のようだ。何と言っても地元の物語なので、情景が想像しやすい。
作者はかなり克明に取材したようで、近辺のありとあらゆる国人名や山城名が所狭しと出てくる。
それでいて、説明臭くなく読ませるのは作者の力量だろう。
川中島の戦いを題材にした小説は数多くあるが、只中の国衆を主に据えたものは少ないだろう。
取材による裏付けで真実味があり、ワクワクしながら読めた。
義に厚かった須田満親は、長尾景虎(上杉謙信)に心酔していく。
面白かったのは、この時期(真田丸放映時期)に、武田信玄と真田幸綱が極悪に描かれていることだった。
ただ、真田丸を見ていると、この話も妙に納得できるのは、三谷幸喜の脚本が素晴らしいことを、裏付けすることにもなっていて、個人的にはうれしい限りだ。
じつはこの物語には続きの構想があるらしい。作者のホームページにあるのだが、本の売れ行き次第での実現らしい。
ぜひ読みたいものだ。
