
「竜馬がゆく」と双璧を成す司馬幕末作品の代表作。言わずと知れた新選組の物語。副長である土方歳三の半生を軸に、新選組の隆盛から衰退までを描いてい る。喧嘩が得意で、その延長から軍才が拓けた人だが、政治感覚はなかったらしく、最後まで「喧嘩が華だ」と生きた人だったようだ。先年、大河で 「新選組!」で土方を演じていたのは山本耕治だが、これを読むと、あのキャストのなかで、一番マッチしていたように思える。大河が終了した一年後ぐらいに 「新選組!土方最後の一日」というSPドラマを放映したのだけれど、「山本くん。カッケー!」と思いながら見たのを思い出した。
司馬さんも意識 していたかどうか、坂本龍馬と土方歳三、水と油、のような敵対関係にあったが、人物像は不思議と、幼少時代などが似ているところが多いように感じた。ほと んど相見えることがなかったふたりだが、どこか性格というか感覚というかが、似ているような気がするのはオイラだけか? 最後の解説は陳舜臣が寄稿してい るのだが、自分の意見に通じることを書かれていた。
土方最後の五稜郭攻防のクダリは、鬼神のごとく突き進む様子が、目の前に見えるようであった。