「女犯の夢告」を受ける。
紫野は重い病。
越後へと帰っていく。
そんな彼女から意味深な忠告。
それによって、範宴は吉水へ。
若いころには響かなかった法然の説法。
今は沁み入るるようだ。
吉水に百日通う。
そんなおり、紫野に似た女性が。
妹の鹿野。
姉の変わりに京へ出てきたのだった。
鹿野は範宴に憧れていた。
しかし、範宴には紫野への思いが。
遵西は、そんな鹿野をたぶらかし手込めにしてしまった。
そうとは知らない範宴。
犬麻呂(犬丸)の妻・サヨにどえらい怒られる。
法然門下に入り、名を綽空に改める。
頭角をあらわしていく。
紫野が奇蹟の復活。
綽空のもとへ。
法然の教え、底辺の人びとと共に生きる。
それを踏まえ、紫野と夫婦に。
遵西の所に鹿野がいることが分かる。
紫野は、遵西に直談判。
自分の変わりに鹿野を返すようせまる。
じつはバックに黒面法師の姿。
あの六波羅王子の成れの果て。
綽空とともに絶体絶命。
そこに、また弥七率いる白河印字の党、推参。
ピンチを切り抜ける。
綽空は法然から「選択本願念仏集」を書写することを許される。
感激に震える綽空。
さらに新しく生まれ変わる。
名を“善信”に改める。
そして、自分なりの布教を開始する。
それは説教するというわけではない。
“話す”だけ。
大好評。
善信は法然を越えてゆこうとしていた。
遵西たちは法然の教えの過激派。
良くも悪くも“念仏”を広めるため、手段を選ばない。
その生け贄として、鹿野と善信。
法勝寺九重塔で、二人もろとも焼こうとする。
しかし、鹿野のお腹には遵西の子が。
強行する黒面法師。
行空が彼をおさえる。
善信、遵西、鹿野は脱出。
遵西と鹿野はともに去る。
ある事件で遵西は死罪。
その責任から法然も遠流。
四国へ。
善信はいろいろな人たちの助けで死罪はまぬがれる。
流罪。
越後へ。
* * *
孤高のお坊さんというわけではなかったんだねぇ、親鸞さんは。
比叡山にいたころは、孤高を目指した。
しかし、六角堂で底辺の人たちとともに歩む決意をした。
公然と奥さんをもらったというのも、正直驚いた。
でも読んで納得。お坊さんだって人間。肉だって食べる。
それを悪として、それでも“念仏”すれば救われるという教えは、広く底辺の人びとに浸透していく。
なんと激動編に続くのか!
文庫になるまで、しばし待つことにしようっと。
