世は平家全盛。
忠範は兄弟と叔父の家に暮らしていた。
馬糞の辻へ闘牛を見にゆく。
危ないところを河原坊浄寛という修行僧に助けられる。
ツブテの弥七、法螺房弁才。
河原の者たちと知り合う。
自分には“放埒の血”が。
そして“お山”への憧れを抱くのだった。
付き人の犬丸には裏の顔が。
それが災いして、六波羅童たちに連れ去られる。
六波羅王子の屋敷へ浄寛たちと乗り込む。
「十悪五逆」。
忠範は不思議な歌の力を示す。
忠範は口減らしのために出家させられる。
だったら、いっそ比叡山に。
従者・犬丸の助け。
慈円阿闍梨の紹介で入山。
名も範宴と改める。
十九になった範宴。
堂僧という低位ながら優秀。
慈円に相談され、法然を探る。
気が向かない範念。
大和を旅する。
聖徳太子の声を聞く。
玉虫という傀儡女と出会う。
煩悩に落ちそうになる。
仲間の傀儡師に襲われる。
助かったのは、弥七のくれたツブテのおかげだった。
二十九になった範宴。
自らに苦行を課していた。
「仏とは何か」にぶちあたる。
しかし、その考え自体がタブー。
答えを求め、六角堂百日参籠。
法螺房弁才との再会。
そして、そこで見たもの。
それは、賤民たちの苦しくも活気ある息づかいだった。
ある少年を救ったことから法螺房の助手に。
そして、紫野との出会い。
そんなある日。
あの少年の母が、お礼にと宴席を設ける。
法螺房と出向く。
そこには懐かしのツブテの弥七が。
そして、當麻御前という歌の名手が。
この女、玉虫。
びっくりの範宴。
またも煩悩に落ちそうになる。
しかし、六波羅王子の攻撃。
當麻御前は身を呈して範宴を助ける。
慟哭する範宴。
悩んだ末、導き出した答え。
それは、“お山”を降りることだった。
*
“放埒の血”、“十悪五逆”、“仏とは”…。
若かりし範宴(親鸞)は悩む。
そして、法然のもとへ。
* * *
親鸞さんは、言わずと知れた浄土真宗の開祖。
多分、自分の家系はもちろん、ほとんどのウチが浄土真宗だと思う。その開祖がどんな生き様の末、何を悟ったのか…。五木さんの物語によって少しでも理解できたらと思いながら読み進めている。
