2009年4月29日水曜日

私本太平記(三)

 後醍醐天皇ごむほん!
 天皇が謀反を起こすというのも変な話だよねぇ、と作者も言っているが、その乱もあっという間に、鎌倉方に掃討されてしまい、後醍醐天皇は隠岐の島流しに。楠木正成は急造の赤坂城に立て篭る。無謀とも思える篭城も正成の謀計で、後醍醐天皇の息、大塔ノ宮と熊野深くで落合い再起を待つ。
 天皇護送の任を受け持つのは、高氏と公私ともに因縁のライバル、佐々木道誉。
 彼は後醍醐のカリスマ性に魅かれつつも、野心も内に秘めながら、とりあえず任務を果たす。この辺りから、高氏と道誉の関係も少し変わりつつあるようだ。大望を前に私怨を捨てるか? 道誉は、宮方、鎌倉方、二股かけてどっち付かずのイヤラシイ男だと思ってしまう。
 かわいそうに。やっぱりその影で泣きをみる女性がいる。藤夜叉という女性はこのふたりの男に翻弄され続けていた。