2014年5月8日木曜日

城を噛ませた男

・見え過ぎた物見
栃木県佐野市の戦国時代の話。
佐野氏を守るため奔走した宝衍。
まさに“土下座外交”。
ふたりの物見のおかげで、いくつも窮地を脱した。
…が最後の最後で、まさに“見え過ぎ”てしまった。

・鯨がくる城
南伊豆・雲見の北条氏晩年の頃の話。
バカにされている丹波の頭は泰然自若。
しかし、最後に一泡吹かす。
鯨をあやつる策はすごい。

・城を噛ませた男
真田父ちゃんが噛ませた城。
それは名胡桃城。
戦国の世で冷徹に生きた策士、昌幸。
“城を噛ませて、国を取る”
その言葉は実らず、権謀家は九度山に行くことになる。
しかし、家名を残すことには成功する。
この話が本当なら“犬伏の別れ”も違った見方が出きるかもしれない。

・椿の咲く寺
静岡県九能市の武田氏滅亡後の話。
裏の裏を書く話で、作品中もっとも面白かった。
草の者の非情さと、武家の娘の儚さを思い知らされる。

・江雪左文字
表題の国宝である名刀“江雪左文字”の謂れ。
父の遺訓に従った、板部岡江雪の生き様。
      
「見え過ぎた物見」「鯨がくる城」の舞台は奇しくも、旅行で立ち寄ったことのある所で、興味深く読ませてもらった。
「城を噛ませた男」の主人公は、地元の有名武将なので、説明することもないが、実はこれがリアルな話なのかもと考えてしまった。

「椿の~」以外は、戦国の世を泳ぎ切った男たちの、それぞれの生き様が描かれている。