


続いて司馬さんの「項羽と劉邦」を読む。高校のころだったか、国語の教科書に載っていた、項羽と劉邦のクダリが忘れられなかったので、挑戦してみた。
「風神の門」が初級なら、これはまさに上級編だろう。容易に想像できる日本史と違って、中国史はその雰囲気や習慣を想像するのが難しかった。それでも司馬さんは、特に冒頭など丁寧に解説を加えながら、司馬遷の「史記」をベースに物語へ誘った。
楚の英雄 項羽。
豪傑でカリスマ。配下、血筋には異常な優しさを持つが、敵には容赦がなかった。
漢の徳者 劉邦。
元はただのごろつきで、項羽に百敗し、頼りなく、それ故にその配下に助けられる徳を持った。
劉邦ははじめ項羽の配下だったが、数奇な運命から台頭してゆく。
とにかくこの二人の対比がおもしろい。どう考えても、項羽が覇を握ったであろうと思われるのだが、劉邦の持つ“ 徳”がそれを許さなかった。
有名な“ 背水之陣”や、終盤の“ 四面楚歌”のクダリも出てきて、とても興味深い。項羽の有終に泣ける。