2010年9月3日金曜日

武田信玄(火)

信濃の平定は、ほぼ成った。
帰還した信玄に、北条から使者が。
「この機を逃さず、協力して関東へ」
助勢を願いたいというのだ。
信玄はまた具合が悪い。
影武者を仕立て、次弟・信廉を大将に碓氷峠を越えさせる。

そんな折、駿河にいる父・信虎から使いが。
使者は、あかねという女忍者だった。
信虎は、息子・信玄に上洛の夢を託していた。
そんなことは百も承知の信玄。
こっちにはこっちの都合がある。
しかし、間もなく信虎は、京都へ落ち延びることに。
そのことを告げたあかねは、そのまま信玄の側女に。

一方、碓氷峠を越えた甲信軍。
若い領主・長野業成。
それを団結して守る宿将たち。
そのなかには、あの上泉伊勢守秀綱の姿も。
とりあえず、そこは無視して松山城を攻める。
籠城の敵に信廉はモグラ戦法。
しかし、穴が開く前に、敵は北条と和議を結んでしまう。
くたびれもうけ。

信玄は志摩の湯で湯治。
虎視眈々と、義元亡き駿河・今川領をねらう。
しかし、躑躅ヶ崎館では不穏な動きが。
嫡男・義信が正室の於津禰は今川氏実の妹。
義信は今川に傾倒していた。
信玄は親子サシで話し合う。
しかし、考えは平行線をだどる。
義信は、お守役の飯富兵部と密会を重ねる。
とうとう義信に乞われ、飯富兵部単独という形でクーデター。
しかし、兵部は心からそれを望んではいなかった。
信玄と義信の板挟みとなってしまったのだ。
弟・三郎兵衛にそれとなく計画を告げる兵部。
三郎兵衛は、いまや信玄の右腕的存在だった。
次の日、志摩の湯が囲まれるが、もともと本気ではない。
クーデターは失敗に終り、飯富兵部は自刃する。
義信は謹慎となる。

勝頼が結婚。
相手は、織田信長の養女・雪姫。
信玄は喜び、祝言に出ようと考える。
そんな矢先、上州箕輪城包囲網が苦戦。
信玄は諏訪までやってきたが、古府中にとって返す。

箕輪城陥落まであと少し。
信玄は、ここで勝頼を初陣させる。
城主・長野業成はまだ若い。
宿老のなかには、新陰流の祖・上泉秀綱がいた。
信玄は軍議で勝頼に献策させ、先陣の大将をまかせる。
搦手に力点を集中。
わざと退いて、敵を城外に誘い出し、逆寄せして叩く。
箕輪城は落城。
ほとんどの敵の家臣を安堵。
上泉秀綱は、のちに浪人して去る。

織田信長が、足利義昭を奉じて上洛。
信玄は、信長をうらやましい。
そんななか、義信が妻と離婚するという。
今川方は、それをあっさりと了承。
怪しい。
先手を打って、義信の謹慎先を寺へ移す。
義信と妻・於津禰の間には子がなかった。
しかし、夫婦の仲は良かった。
ひとりぼっちになった義信。
さみしさがたたったのか、病に伏し帰らぬ人となる。

氏実の暗愚な行動に怒ったのか。
信玄は駿河進攻を着々と進める。
徳川家康と通じて、挟み撃ちにする計画。
徳川方には、遠江を分割することを約束。
今川攻略はサクサクと進む。
氏実は、城を捨てて掛川へと落ちる。
掛川城はよく守り、ここで膠着状態に。

徳川方は、遠江を攻め上がっていた。
なぜかその後ろから、飯田・伊那衆が攻撃を仕掛けてくる。
怒った家康。信玄に抗議。
「こちらの手違いだ。こういうこともあるよ」
と信玄は、事も無げ。
さらに怒った家康。
北条と手を組む。
挟撃された武田勢。
浅間(せんげん)神社に楔を打ち込み、風のように撤退。
今川領にある安倍金山を査収。
これで金に困らない。
とりあえずの目的を果たされた。

北条が敵対するとは思っていなかった信玄。
こらしめのため、示威行動を起こす。
駿河へ進攻すると見せて、小田原城を囲む。
ビビる北条。
「このぐらいで勘弁してやらぁ」
北条に脅威のタネを植え付ける。

帰還すると三条の方が病に伏していた。
労咳だった。
久しぶりに三条氏の局に。
三条氏は半年後に亡くなってしまう。

北条に釘を刺した信玄。
今度こそ、駿府城へ進攻。
手前の蒲原城が抵抗。
しかし、勝頼と亡き弟・信繁の息子・信豊が活躍。
これを落とし、駿府へと入る。
*   *   *
武田の血は、肉親を争わせるのか、嫡男・義信との意見が相違し、以前、信虎を追放したように、今度は自分が追い出されるところだったが、家臣たちは信玄に付き従っていた。
信長と労咳に追い立てられるように、信玄は上洛の道をつけるため、東海への戦いに明け暮れていく。