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そこには、珍しくこの本に感動したことがつづられていた。
それから、オイラのなかに、この本の存在がくすぶっていた。
“坂の上の雲”以降の歴史を知ること。
それは、太平洋戦争を知るということ。
テレビで池上彰さんが、口酸っぱく言っていた。
「今の日本人は、太平洋戦争以降の歴史を勉強していない」
「それを知れば、今の日本が見えてくる」と。
山㟢豊子さんの著書も読んでみたい。
でも敷居が高いなぁ。
先日本屋へ行くと、なんとこの本がベストセラーとして紹介されている。
もともと、“○△第1位”みたいな文句に弱い。
それがスイッチとなって、読むことを決意。
* * *
主人公は、姉のすすめで祖父のことを調べはじめる。祖父を知る人を訪ねインタビュー。
そこで聞いた祖父・宮部久蔵は、“臆病者”だった。
調査を挫折しそうになったが、さらに調べていく。
生き残った“戦友”の証言。
それは、宮部がただの“臆病者”ではないこと。
それを少しずつ、明らかにしていくものだった。
日中戦争以来の歴戦のパイロット。
結婚し、娘が生まれた。
妻との約束を守るため、宮部は“臆病者”になった。
当時、そんな考えを持った者は少ないと思われた。
しかし、それは大きな間違いだ。
誰でも、当たり前に生への執着はある。
それを上層部は“弾圧”していった。
そして“特攻”だ。
それでも宮部は、“勇気ある臆病者”でありつづけた。
真珠湾。
ラバウル。
ガダルカナル。
フィリピン。
そして、九州へ。
特攻が、当たり前のように毎日飛んでいく。
終戦の四日前。
鹿児島・鹿屋飛行場。
特攻隊のなかに、宮部の姿があった…。
* * *
これ、涙なしで読めるのか!?これが著者のデビュー作だというから、さらに驚く。
著者の百田さんは、もともと構成作家ということで、“書く”ということに慣れていらっしゃるとは思うが、デビュー作で太平洋戦争を題材にすることは、かなり勇気がいったと思われる。
だから、なおさら姿勢を正す気持ちだった。
もし、この感想を読んでいる方がいらっしゃったら、陳腐なセリフだけれど“だまされたと思って”、この本を読んでもらいたい。
身近にいる、あるいは“いた”、おじいさん、おばあさんの物語として。
