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フランスの百年戦争前期。
ポワティエの戦いで、フランスは大きく負ける。
イギリスとフランスは戦国時代のよう。
王侯貴族・諸侯・市民・地方が入り乱れている。
ベルトラン・デュ・ゲクラン。
ブルターニュ・ディナンの下級貴族。
醜男。
ガキ大将のまま大人になったようだ。
でも純粋。
そして、戦の天才。
馬上槍の試合でイングランド騎士を破る。
ベルトラン率いる傭兵軍団。
“ポントルソンの黒犬隊”として恐れられる。
イングランドからレンヌを奪回。
ノルマンディー地方では知らぬ者はいない。
金策に窮した黒犬隊。
「王様に直談判なんだな!」
従兄弟である修道士・エマヌエルとともにパリへ。
そこで運命の出会いが。
当時、王太子だったシャルル5世だ。
パリでは、王太子を排斥する革命が起きていた。
そこで、ベルトランは王太子一族の脱出を助ける。
そこからパリを回復するのに、時間はかからなかった。
戦争の天才・ベルトラン。
賢王シャルル5世。
ここに、最強のデュオが誕生した。
* * *
今のような、フランス領、イギリス領という分かれではない。
諸侯の領土が入り乱れ、王は諸侯貴族の代表者という役割だったようだ。
ここらへんは日本の戦国時代と似ているな。
違うのは貴族(日本で言うところの公家)自体が騎士として武勇を誇っていたということ。
王様は絶対的な権力を持っていない。フランス革命以前に、パリではこの時代でも市民ベースで王太子であるシャルルを追い出したことになる。
しかし、このシャルルによって、フランス革命に至るまで、絶対王政が敷かれることになるとは、皮肉なものだ。
ベルトラン・デュ・ゲクランという人。
知らなかったなぁ。
百年戦争といえばジャンヌ・ダルクが世界的には有名で、地元フランスでは昔からベルトラン・ドュ・ゲクランが有名。
もっとそのテの時代劇を見てみたい。
ヨーロッパあたりでも時代劇というものは制作されているのだろうけど、ほとんど観た記憶がない。日本では放映されないだけ?
* * *
それにしても佐藤賢一という作家さんは、いろんな意味ですごい。
まず筆力がすばらしい。題材が良かったこともあるのかな。
グイグイ引き込まれる。
それに小説家を志していたわけではなさそうだ。
たまたま出した小説が編集者の目に止まったということだ。
彼もまた天才なのかもしれない。
天才とバカは紙一重。を地で行くベルトラン・ドュ・ゲクラン。
それを補い、自分にないものを補われシャルル5世は世に出て行く。
天才たちの相乗効果がフランスを救っていく。
戦の天才は、近代戦の見本となった。
ボルドーの一部をのぞいて、ほぼフランスは実地を回復。
だが、ベルトランは倒れ、追うようにシャルル5世もこの世を去る。
最強デュオなき今、またもやフランスに暗雲が立ちこめる。