2014年3月5日水曜日

おれの足音-大石内蔵助(下)

世は "元禄」。
「生類あわれみの令」が猛威をふるっていた。
内匠頭は内蔵助にだけには、本音を吐露。

内匠頭が奉書火消に任ぜられる。
以前より消防に熱心だった内匠頭。
国元にそれを強いる。

いろいろな人たちとの出会い。
流浪の人·水間治部左衛門。
なかなかの仁だ。
そんなとき、江戸から早馬が。
「备中·松山城を接収せよ」
幕府からのお達しだった。
何が起こるか分からない。
そんなとき水間が "橋渡し"となってくれたのだった。
松山のことで、内匠頭は弟を養子にする。

中山安兵衛の高田馬場の決闘。
江戸留守居役の堀部弥兵衛。
その噂の仔細を内蔵助に手紙にしたためた。
その思い入れは婿取りに向かう。
狂気と思われた執拗な誘い。
とうとう安兵衛は折れる。
ここに「堀部安兵卫」が誕生。

元禄十四年の年も明け、なにもかもが平凡と過ぎ去る。
···はずだった。
その日、内蔵助はりくにゆりおこされた。
「江戸から早馬(おはや)が」
妻の蒼白な顏に、ただならぬものを感じる。
はたして、それはあの松の廊下の事件を告げるものだった。

小平次は、懇意の旗本から事件の仔細を聞いた。
喧哗両成败...とはならなかった。
そこに今のご政道が間違っている。
世間は吉良よりも、幕府に不満が向けられつつあった。

诸事、淡々と城受け渡しが成る。
ここで、あの松山の事柄が役に立つとは皮肉だった。

内蔵助は京都·山科に移り住む。
長男以外は妻の実家に帰す。
内蔵助はいろいろな女を渡り歩く。
別に荒んでいるわけではない。
内蔵助は、金銭の始末は万端に済ましている。
一心に御家再興を運動していた。
しかし、内匠頭の弟で養子の大学の、浅野本家預かりが決まる。
ここに御家再興はならないことが決定してしまった。
内蔵助は、江戸へ上る決心をする。

内蔵助は江戸へ出ても、暇さえあれば遊女のもとへ。
自分でも苦笑するほどの女好き。
年も押し詰まった。
吉良の所在が確かなものに。
討入りへ。
なかなか吉良は見つからず。
周囲に焦りの影が。
しかし内蔵助は微動だにせず。
頭では妻の大きな身体を妄想。
とうとう吉良が見つかる。
それを聞き、内蔵助はゆっくりと立ち上がった。
*   *   *
それにしても女好きだ。でも家老だし、お大尽遊びしたわけでもないし、放蕩したわけでなく、どの女にも好かれ、福々としている。
小平次も、一時はあんなに恨んでいたのに、久しぶりに会えば、すっと分かりあえてしまった。
でも、内蔵助がいたからこそ、あの討入りは成功したのだとも思う。
筋道をたて幕府に運動し、先のことは先のことと言いながらも、その対応力は抜群のものを持っていた。

リーダーとして素晴らしい人だったのだと思う。