景は能島にスゴスゴと帰ってきた。
おとなしく“花嫁修業”。
父の武吉は、毛利に合力を約束する。
…が、連歌奉納と称しなかなか重い腰。
上杉謙信起つ。
知らせが入り武吉も意を決する。
村上軍は毛利の待つ海へ。
勇み立つ元吉。
しかし武吉は“戦”自体が起こらないと読んでいた。
何も知らなず、兄たちを見送った景。
しかし、武吉の言葉に絶句。
毛を逆立て、難波の海へと旅立つ…。
武吉が言う。
「ついに鬼手が行く…」と。
* * *
全編で突出した魅力を放っているのは七五三兵衛だ。
原哲夫氏のマンガに出てきそうなキャラ。
まさに“カゲの主役”と言っていいだろうね。
はっきり言って、七五三兵衛が景を喰っていた。
“何のために闘うのか”
どこかの歌の文句みたいだが、景は自分のためではなく、大きな矛盾に対して戦に邁進する。
けれど正直言って、景が戦に臨む動機付けが薄いような…。
和田さんの前著「小太郎の左腕」の主人公・小太郎が戦に臨む動機付けは、とても納得のゆくものだった。
景と一向宗門徒のふれあいを、もう少し深く描いてくれればなあ…。
それ以上に合戦描写が深く濃く描かれている。
最後の戦いのシーンは、手に汗握る展開で、一気読み必至だった。
さすが和田さん。
.jpg)