この精神状態で軍の指揮は無理だ。
そう、耶律休哥は判断した。
石幻果を燕京に帰す。
さすがの耶律休哥も、楊業の息子だったとは思っていなかった。
家族のもとに帰った石幻果。
しかし、容易に記憶の苦悩が癒えるはずもない。
耶律休哥は石幻果に“父”として厳しく対応するのだった。
六郎は石幻果と剣を交えた。
父の剣が刃こぼれした。
それを時間をかけ、丹念に研ぎ直していた。
そして、“四郎”に会うことを決意する。
燕京へ。
彼は待っていた。
しかし、そこに立っていたのは、“四郎”に討ち勝った石幻果がいるだけだった。
分かっていたのかもしれない。
六郎は静かに代州へ帰っていった。
五郎が生きていた。
五代山にこもって、剣を修行していたという。
片腕を失くしていた。
弟たちのために、兄を討つため単身遼へ。
亡霊対亡霊。
どちらが勝っても虚しい戦いだ。
それでも、ふたりは呼び合うように剣を交える。
紙一重。
五郎は砂上に倒れるのだった。
耶律休哥は衰えを感じていた。
次の戦が最後だと思い定めた。
駆け回り、馳せ回る。
楊業の孫・延光の首が飛ぶ。
耶律休哥は、傷ひとつ負わずに、馬とともに去るのだった。
宋帝は病が篤い。
死期を悟った帝。
悲願の燕運十六州攻略を厳命。
六郎以下、楊家軍は先鋒に立つ。
一方、遼。
度重なる戦で、遼の国土は疲弊していた。
石幻果は禁軍を指揮していた。
今度の戦で賭けに出ることを献策。
それは、開封符を落とすというものだった。
遼の作戦にいち早く気づく六郎。
楊家軍 vs 耶律休哥軍。
最後の戦いがはじまった…。
* * *
耶律休哥の去り方がかっこよすぎ。最後の盛りあがりはハンパない。
生きるということは、戦うということ。
男たちが去った草原には、ただ風が吹き抜けるだけ…。
さて、水滸伝サーガの序章とも言える楊家将シリーズを読み終えた。
とうとう水滸伝にいどむ。
さらに、楊令伝、岳飛伝と続く。
…うぅ、果てしない。
その前に、日本の年末には欠かせない物語の、あの人物の作品を読んでみたい。
