2011年12月29日木曜日

血涙(下)

当然石幻果は悩む。
この精神状態で軍の指揮は無理だ。
そう、耶律休哥は判断した。
石幻果を燕京に帰す。
さすがの耶律休哥も、楊業の息子だったとは思っていなかった。

家族のもとに帰った石幻果。
しかし、容易に記憶の苦悩が癒えるはずもない。
耶律休哥は石幻果に“父”として厳しく対応するのだった。

六郎は石幻果と剣を交えた。
父の剣が刃こぼれした。
それを時間をかけ、丹念に研ぎ直していた。
そして、“四郎”に会うことを決意する。
燕京へ。
彼は待っていた。
しかし、そこに立っていたのは、“四郎”に討ち勝った石幻果がいるだけだった。
分かっていたのかもしれない。
六郎は静かに代州へ帰っていった。

五郎が生きていた。
五代山にこもって、剣を修行していたという。
片腕を失くしていた。
弟たちのために、兄を討つため単身遼へ。

亡霊対亡霊。
どちらが勝っても虚しい戦いだ。
それでも、ふたりは呼び合うように剣を交える。
紙一重。
五郎は砂上に倒れるのだった。

耶律休哥は衰えを感じていた。
次の戦が最後だと思い定めた。
駆け回り、馳せ回る。
楊業の孫・延光の首が飛ぶ。
耶律休哥は、傷ひとつ負わずに、馬とともに去るのだった。

宋帝は病が篤い。
死期を悟った帝。
悲願の燕運十六州攻略を厳命。
六郎以下、楊家軍は先鋒に立つ。

一方、遼。
度重なる戦で、遼の国土は疲弊していた。
石幻果は禁軍を指揮していた。
今度の戦で賭けに出ることを献策。
それは、開封符を落とすというものだった。

遼の作戦にいち早く気づく六郎。
楊家軍 vs 耶律休哥軍。
最後の戦いがはじまった…。
*   *   *
耶律休哥の去り方がかっこよすぎ。
最後の盛りあがりはハンパない。
生きるということは、戦うということ。
男たちが去った草原には、ただ風が吹き抜けるだけ…。

さて、水滸伝サーガの序章とも言える楊家将シリーズを読み終えた。
とうとう水滸伝にいどむ。
さらに、楊令伝、岳飛伝と続く。
…うぅ、果てしない。

その前に、日本の年末には欠かせない物語の、あの人物の作品を読んでみたい。